【ブログ】人をつなぐ食(祖師ヶ谷大蔵~高円寺~山口・下関)

2021年も時候は立春から雨水へ。例年以上に気温の変動が激しいようです。

2月18日(木)の夕刻は、国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウ(HRN)主催のウェビナー「ミャンマー軍の国際人権・人道法違反と企業の責任を考える」を視聴。 
 今回のクーデタの背景と国際関係、ビジネスの人権に対する責任など多角的な議論が行われました(ロヒンギャ難民キャンプの子どもが描いた絵も紹介されました)。

日本ビルマ・ロヒンギャ協会のゾーミントゥさんからは「日本国民と日本政府は人権を重視して、軍にも働きかけてほしい。もっと少数民族を助けてほしい」等のメッセージ。
 なお、当日の動画は3か月限定で公開されています。

2月20日(土)は快晴、気温も上昇。
 緊急事態宣言下で若干の後ろめたさも感じつつも、休日に電車に乗って遠出(?)するのは久しぶりです。 

 昼過ぎに東京・世田谷区の祖師ヶ谷大蔵に到着。商店街はそこそこの人出です。
 駅近くにあるゴホウビダイナーは、こだわりの生産者さん(店主の齊藤星児さんは職人(クラフトマンと呼びます)の食材を頂くことができるお店。
 メニュー表にも店内の壁にも、生産者や産地の情報が満載です。

クラフトビールの飲み比べ(昼間から呑むビールは美味!)、DELI盛り合わせ、イタリアンオムレツ(福島・相馬ミルキーエッグ)、名物の祖師谷バーガー(福岡・赤崎牛)等を頂きました。

 コロナ禍による売上げ減少を補うためにテイクアウトにも力を入れている齊藤店主、さらには余剰気味になっている食材の共同購入まで始められました。
 この日、注文させて頂いていた卵や野菜を受け取りました。いずれも生産者と店主さんの思いのこもった貴重で美味しい食材です。

お腹も一杯。次の目的地・高円寺に向かいます。
 座・高円寺(杉並区立芸術会館)前の広場で、毎月第三土曜日に開催しているマルシェが「座の市」。初めて伺いました。

 15時前に到着した時は既に完売となっていたブースも。午前中には行列もできていたそうです。 
 コンポストークでもお世話になっているMさんは、毎回、ポケマルをきっかけに交流している岩手・大船渡市綾里(りょうり)の早採りワカメなどを、仲間の皆さんとともに販売されています(お取り置きして頂いてました)。
 阿波踊りつながりで出店されているという徳島のブースもあり、レンコンや菜花を求めさせて頂きました(サービスにスダチも!)。

なお、Mさんは来月には西日本の漁業の盛んな街に移住されるとのこと。現地でも再会することを約束。

大きなバッグを抱えて17時過ぎに帰宅。本日の戦果を改めて確認。

ゴホウビ共同購入で頂いたのは、大野村農園(福島・相馬市)のミルキーエッグと相馬土垂(どだれ、伝統種の里いも)、めりめろ園(千葉・山武市)の人参ジュース、雲谷ト森山農園(青森市)のミニ固定種野菜セット、それに虹色畑(横浜市南区)の紅くるり大根と京むらさき大根。黒田三寸人参もサービスでつけて下さいました。

 生産者や食材については、事前に齊藤店長から思いのこもった詳しいメッセージを頂いています。新しいつながりを創る取組みが、また一つ、スタートしました。

高円寺・座の市からは、綾里の生ワカメ、徳島産の野菜、岩手の「秘伝豆」、熊本・芦北のデコポン入りかりんとうなど。
 ほかに高円寺では、落語会等でお世話になっている魚屋さんでマグロねぎま串(併設の飲食店は休業中とのこと)、駅前広場ではビッグイシューもゲット。

さて、この日の最後の目的地は山口・下関市。といってもこちらは「オンラインちょい飲み」会です。 
 前日に届いていたフクはちり鍋に(徳島の菜花も投入)。ふくあぶり焼きと鹿肉ジャーキー(徳島のスダチ添え)。
 それに自然解凍してあったひれ酒を温めて、19時前にパソコンの前へ。

主催者の大塚洋一郎さん(農商工連携サポートセンター)の音頭による乾杯に続き、自己紹介から対話・交流がスタート。
 静食品(株)の小野康行社長は下関ジビエの開拓者で、猟友会から持ち込まれる鹿や猪を全て食肉やソーセージ等に加工し販売されているそうです。
 「あやさい」の宮崎綾子さんは、地元野菜の美味しさに魅せられた販売会社を起業されたという方。
 下関市産業振興課の大津賢治さんは、下関を食でPRすることに奮闘されているそうです。
 ちよだいちば(東京・千代田区、日本各地の「食」が集まるアンテナショップ)店長の朝比奈千穂さんからは、下関の食材を使ったお弁当は東京でも大好評との紹介。
 大阪で不動産業を営んでおられる方は、耕作放棄地の再生活動をされているそうです。大学生と連携しつつジビエの利活用に取り組んでおられる方も。

ふくを始めとした多くの美味しいもので有名な下関で、地元の魚、野菜、ジビエなど、地域で循環が始まっている様子がうかがえました。
 故 大江正章さんは、ご著書『有機農業のチカラ』のなかで「地域資源を生かした循環型の小さな経済」の重要性を強調されています。下関では、この循環が着実に始まっていることが実感でき、心強く思いました。 
 そして何より、美味しい食べものは人と人とを結びつけることを改めて確信できた1日でした。

ところでこの日(2021年2月20日(土))は、移動の合間等に市民研主催のICRP(国際放射線防御委員会)刊行物に関する討論会を視聴。
 市民研会員等の市民科学者とICRP委員との間で、真剣な議論が交わされていました。 
 
 東電・原発事故からもうすぐ10年の節目を迎えます。