【豆知識278】コンビニ経営の大きな負担となっている食品廃棄

前号で紹介したとおり、企業や家庭は大量の食品ロスを発生させています(2021年で523万トン)。食べものを捨てることがエシカル(倫理的)でないことは自明ですが、同時に、大量の食品ロスは経済(経営)面でも大きな負担となっています。
 リンク先のグラフは、2020年に公正取引委員会が実施した大手コンビニエンスストアチェーンの全ての加盟店を対象としたアンケート調査結果から作成したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/10/278_conveni.pdf

直近の会計年度におけるコンビニの1店舗当たりの収支状況をみると、売上高1億8,600万円に対して売上原価は1億2,887万円、うち営業費は2,299万円となっています。
 この営業費の内訳(円グラフ)をみると、従業員給与が1,500万円と全体の65%を占めており最も多くなっていますが、次いで多いのが廃棄ロス(468万円)で20%を占めています。… 続きを読む

【豆知識277】食品ロス量の推移(事業系と家庭系)

日本の食品ロス(本来食べられるのに捨てられている食品)の量は、2021年の推計値で年間523万トン。これは毎日、大型(10トン)トラックで約1,433台分、一人当たりにすると毎日おにぎり1個分(114グラム)の食べものを捨てている計算になります。
 また、日本の年間ロス量は、国連世界食糧計画(WFP)による世界の食料支援量の約1.2倍に相当します。
 そのような大量の食品ロスは、どのような段階や理由で発生しているのでしょうか。リンク先のグラフをご覧ください。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/10/277_loss.pdf

右端の棒グラフが最新(2021年)の推計値です。… 続きを読む

【豆知識276】規模別にみた農産物の出荷先

日本農業の最大の強みは、故・山下惣一さんによると「消費者が近くにいること」とのこと。その通りだと思います。
 生産者からみて消費者と連携するための一つの方法が、生産物の消費者への直接販売です。リンク先の棒グラフは、売上1位の農産物について、その出荷先別の経営体の割合を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/09/276_chokuhan.pdf

左端の棒グラフが全体(平均)です。
 2020年における売上1位の農産物の出荷先は、農協が64.3%と最も多く、消費者への直接販売は9.0%に留まっています。… 続きを読む

【豆知識275】農家人口の推移

農家数や就業者数に比べると、農家人口という指標はあまり注目されません。しかし、消費者から農(生産の現場)が遠くなってしまった要因を探る上では、重要な指標となります。
 リンク先の棒グラフは、農家人口(農家世帯員数)の推移を年齢階層別に示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/02/275_2_setaiin.pdf

 1960年の農家世帯員数は3,441万人と、総人口の36%を占めていました。つまり、人口の約4割は農家の世帯員(家族)だったのです。それが2020年には約349万人と約10分の1へと激減しました。なお、これは、農家数(29%)、農林業就業者数(16%)に比べても大きな減少率です。
 この結果、総人口に占める農家人口の割合は約3%へと大きく低下しています。… 続きを読む

【豆知識274】人口等の東京圏への一極集中

1923年9月1日(土)11時58分、相模湾北西部を震源としマグニチュード7.9と推定される関東大地震が発生しました。埼玉、千葉、東京、神奈川及び山梨県では震度6を観測し、昼食の時間と重なったこともあり多くの火災が起ったため、死者・行方不明者は約10万5千人(うち東京7万人、神奈川3万3千人)に及ぶなど甚大な被害がもたらされました。

被害が甚大となった要因の一つとして、東京等に人口が過度に集中していたことがあるとされています。
 添付先のグラフは、全国及び東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の人口(棒グラフ)及び全国の人口、GDP、耕地面積に占める東京圏のシェア(折れ線グラフ)の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/08/274_shuchu.pdf

関東大震災の前年(1922年)の日本の総人口は約5千7百万人で、うち東京圏には約8百万人と14%が居住していました。このシェアは関東大震災、終戦の時期を除いて現在まで一貫して上昇しており、2020年には29.3%(総人口1億2,600万人、東京圏3,700万人)へと上昇しています。… 続きを読む

【豆知識273】米の生産・消費量と食料自給率の推移

戦中戦後は、日本の歴史上もっとも深刻な飢餓に見舞われた時代でした。
 米は1941年4月に配給制に移行し、成人の配給量は一人一日当たり二合三勺 (約330g)と定められました。これを1年間に換算すると約120kgになります(1945年には約108kgに削減)。
 遅配・欠配が常態化していたとはいえ、実はこの量は、現在の米消費量(50kg超)の2.3倍に当たります。それでも、多くの戦災孤児等が飢えて亡くなっていきました。
 添付先の折れ線グラフにあるように、米の消費量は、現在まで一貫して減少しています。… 続きを読む

【豆知識272】知的・発達障がい者の農作業によるストレス軽減効果

近年、農福連携の取組み(障がい者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組み)が広がっています。
 農作業は、障がい者等のストレスを減らす効果がある(「農の福祉力」)とされていますが、順天堂大学大学院 緩和医療学研究室、NPO法人ユメソダテ、都城三股農福連携協議会は、そのことを実証するため、「農作業によるストレス軽減テスト」を実施しました(2023年3月)。
 添付先のグラフは、その結果を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/08/272_noufuku.pdf続きを読む

【豆知識271】農業用水路の長さ(延長)など

「瑞穂の国」とも称される日本は、温暖湿潤な気候風土に恵まれ、豊かな農業生産が展開されてきました。その農業生産を支えてきたのが、全国に網の目のように張り巡らされた農業用水路です。
 添付先のグラフは、農業用水路の長さ(延長)等を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/07/271_suiro.pdf

日本の農業用水路全体の長さ(総延長)は約40万kmとされ、これは実に地球10周分に当たるそうです。また、農業用水路のうち受益面積が100ha以上ある基幹的農業用水路の長さは約4万9千kmとなっています。
 これを一級河川の国による直轄管理区間、一般国道の指定区間、JRの線路と比較すると、いずれも農業用水路の方が長く、農業用水路は公共的な施設として大きな量(ストック)を有していることが分かります。… 続きを読む

【豆知識270】コロナ禍の下でも堅調だった「中食」

「中食」(なかしょく)とは、レストラン等へ出掛けて食事をする「外食」と、家庭内で手づくり料理を食べる「内食」の中間にあるもので、デパ地下の総菜、テイクアウト、ケータリングサービスの調理食品等を指します。
 リンク先のグラフは、中食を含む外食産業の市場規模の長期的な推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/07/270_gaishoku.pdf

これによると、(狭義の)外食の市場規模は1990年代半ばまで成長が続き、バブル崩壊やリーマンショックの影響により横ばいで推移した後、2010年代に入ってからは再び成長していましたが、2020年以降、新型コロナウィルスの感染拡大により大きく落ち込みました。関係する事業者の方々のご苦労は並々ならぬものでした。

これに対して料理品小売業(テイクアウト等を含む、いわゆる中食)は、過去はほぼ外食と同様の動きを示していたものの、新型コロナウィルスの感染拡大があった2020年以降も大きな落ち込みは見られません。… 続きを読む

【豆知識269】東京圏在住者の地方移住への関心

内閣府は、新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関するインターネット調査を定期的に行っています。
 リンク先の図269は、本調査における東京圏在住者の地方移住への関心の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/06/269_iju.pdf

これによると、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年5月の段階では、東京圏在住者(全年齢)のうち地方移住に関心のある人は30.2%でした。この割合はコロナ禍の下で徐々に増加し、2023年3月調査では35.1%(強い関心がある4.5%、関心がある9.7%、やや関心がある21.0%)となっています。
 これを20歳代についてみると、地方移住に関心のある人は2020年5月時点で39.2%と全年齢平均より9ポイント高く、コロナ禍の下で平均を上回って上昇し、2023年3月時点では44.8%(強い関心がある7.1%、関心がある13.5%、やや関心がある24.3%)と、平均を10ポイント近く上回っています。… 続きを読む

【豆知識268】「エシカル消費」に対する意識と実践

消費者庁「令和4年度第3回 消費生活意識調査」(2022年12月)はエシカル消費を取り上げています。本調査では、「エシカル調査(倫理的消費)」を「地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動」と定義しています。

 エシカル消費を知っていると回答した人の割合は26.9%で、2016年(6.0%)、2019年(12.2%)に比べると、認知度が徐々に浸透してきていることを示しています。
 エシカル消費に対する認知度・興味、実践の状況を、性別・年齢階層別に示したものがリンク先の図268です。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/06/268_ethical.pdf続きを読む

【豆知識267】パン食をご飯食に変更した場合の効果

フード・マイレージ指標を用いると、地産地消や国産農産物を選択することによる、輸送に伴う二酸化炭素排出量の削減効果を簡単に試算することができます。
 リンク先の図は、埼玉県内のある生協から依頼されて、パン食をご飯食に変更することによる効果を試算したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/05/267_gohan-pan.pdf

左の2本のグラフは、現在、1週間の21食(3食×7日)のうち、ご飯を11回、パンを10回食べているのを、1食ずつ、ご飯を増やしパンを減らした場合の変化(輸送に伴う二酸化炭素排出量の削減効果等)を示したものです。
 なお、消費地はさいたま市、お米は新潟・佐渡島産、小麦はアメリカ・カンザス州産と仮定しています。… 続きを読む

【豆知識266】日本の有機農業の取組み面積

2021年9月に農林水産省が発表した「みどりの食料システム戦略」(以下、「みどり戦略」)においては、有機農業の面積を2050年までに100万ha(全農地の25%)へと拡大する目標が掲げられています。
 では現在、日本において有機農業に取り組まれている農地はどの程度あるのでしょうか。リンク先は、日本の有機農業の取組み面積と、全農地面積に占める割合の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/05/266_yuuki.pdf

2022年における有機農業の取組み面積は25.2千haと、過去10年で約5割と大きく拡大しています。内訳をみると、有機JASの認証を取得している農地が56%、認証を受けていない農地が44%となっており、近年、認証を取得している農地の割合が上昇しています。
 しかしながら、全農地面積に占める割合はわずか0.6%弱に過ぎません。… 続きを読む

【豆知識265】木材供給量と自給率、苗木生産量の推移

リンク先の上の棒グラフは、日本における木材の供給構造の長期的推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/04/265_naegi.pdf

国産材の供給量は、1960年代以降、長期的に減少傾向で推移してきましたが、2002年の1,692万立米を底として増加傾向に転じています。これは、森林資源の充実、合板原料としてのスギ等の国産材利用の増加、木質バイオマス発電施設での燃料材利用の増加等によるものです。
 一方、輸入材の供給量については、1960年代以降、丸太を中心に急増し、高い水準で推移してきましたが、1996年の9,045万立米をピークに減少に転じています。これは、中国の輸入増、ロシアの丸太の輸出規制等が背景にあります。なお、2020年は新型コロナウィルス感染拡大による混乱もあり、前年に比べ15%減少しました。

これらの動向を受けて、木材自給率(折れ線グラフ)は2000年頃まで低下傾向で推移していましたが、2002年の18.8%を底に上昇に転じ、2021年は41.1%となっています。… 続きを読む

【豆知識264】小売店の減少と郊外型ショッピングセンターの増

小売店の数は2000年代に入っても減少を続けています。
 2016年における飲食料品小売店(事業所数)の数は29.9千店と、2002年の46.6千店に比べ約6割の水準へと大きく減少しています(リンク先の下の棒グラフ)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/04/264_SC.pdf

一方、ショッピングセンター(飲食業、サービス業を含むテナント数が10以上の施設)の数は、2021年は3,169施設と、2001年の2,603施設から22%増加しています(上の棒グラフ)。
 これを立地別にみると、中心地域(人口15万人以上の都市で、商業機能が集積した中心市街地)に立地している施設は478(15%)にとどまっており、残りの85%は市街地の周辺あるいは郊外に立地しています。周辺・郊外に立地しているショッピングセンターの割合は、2001年以降、ほぼ右肩上がりで推移しています(折れ線グラフ。途中で定義の変更があったために厳密には接続しません)。… 続きを読む