【ポイント】
現在も、少なくとも約2万7千人の方々が避難を強いられています。
2011年3月11日、原子力緊急事態宣言の発令に伴い、放射性物質の放出・拡散による住民の生命・身体の危険を回避するため、避難指示(屋内退避を含む。)が発出されました。
当初、避難指示が出された区域は福島県全体の面積の約12%という広さでしたが、徐々に縮小され、現在は2.2%(約300ha)となっています。とはいえ、現在も東京都23区の約半分の面積が帰還困難区域となっており、住宅の入り口はバリケードで閉鎖されたままです。
リンク先の図280は、避難者の数の推移を示したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/11/280_hinan.pdf
これによれば、2012年5月には約16万5千人(県外避難者約6万2千人、県内避難者約10万3千人)いた避難者数は、2023年5月には約2万7千人(同約2万1千人、約6千人)と、16%への水準にまで減少しています。なお、少数ですが避難先不明者も含まれています(23年は5人)。
ただし、この県内避難者数には、自ら住宅取得または復興公営住宅等へ入居した人数は含まれておらず、また、県外の避難先市区町村で把握できなくなっている方もいます。さらには、福島県以外からの避難者数は含まれていないことから、実態に比べて過少であると考えられます。
仮に「過少」であるとしても、また、12年間で大きく減少しているとはいえ、現在も約2万7千人の方々が望まない避難を強いられているという現実を、忘れてはならないと思います。
ちなみに折れ線グラフは福島県全体の人口の推移。人口や経済の東京圏への一極集中が進むなか、福島に限らず、全国の地方では人口の減少が続いていることも重要な課題です。
(資料)
福島県「復興・再生のあゆみ」(各年版)から筆者作成。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/ps-fukkoukeikaku1151.html
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.280、2023年11月27日(月)[和暦 神無月十五日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
(↑ 購読(無料)登録はこちらから)
(↓ 「豆知識」のバックナンバーはこちら)
https://food-mileage.jp/category/mame/
(↓ メルマガ全体のバックナンバーはこちら)
https://food-mileage.jp/category/mm/