【ポイント】
カロリーに占める米の割合は約2割に低下しているものの、食料自給力の観点からは依然として「主食」。
「主食」とされる米ですが、その地位は現在も本当に「主食」と呼ぶのにふさわしいものでしょうか。
リンク先の棒グラフは、供給熱量(食卓に並べられた食べもののカロリー)の推移について、主な品目別にみたものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/11/279_calorie.pdf
1960年の一人一日当たりの供給熱量は2,291kcalで、うち米により供給された熱量は1,106kcalと全体のほぼ半分(48.3%)を占めていました。この時点では確かに熱量供給面でも米は「主食」と呼ばれるのにふさわしい地位にありましたが、その割合は次第に低下し、1980年には全体のちょうど3割、2021年には約2割(21.3%)にまで低下しているのです。
この推移を示したものが、上半分の棒グラフの一番下のグラフです。
一方、赤のグラフはカロリーベースの、青のグラフは生産額ベースの総合食料自給レ率の推移を示しています。これらをみると、供給熱量に占める米の割合が低下するのと並行するように、食料自給率が低下していることが分かります。
これは、国内でほぼ自給できている米の割合が低下し、飼料穀物や大豆・菜種等の大きな部分を輸入に依存している畜産物や油脂の割合が上昇しているためです。また、このことは、米消費の激減、畜産物や油脂の消費の大幅拡大といった、私たちの食生活の変化を直接反映したものです。
以上のように、供給熱量に占める割合からは、現在は米は「主食」とは呼び難い地位となっているものの、自給率(国内での食料供給力)の観点からは、依然として米は「主食」と呼ばれるのにふさわしい地位にあります。
(資料)
農林水産省「食料需給表」(令和3年度)から筆者作成。
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/fbs/
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.279、2023年11月13日(月)[和暦 神無月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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