【豆知識277】食品ロス量の推移(事業系と家庭系)

日本の食品ロス(本来食べられるのに捨てられている食品)の量は、2021年の推計値で年間523万トン。これは毎日、大型(10トン)トラックで約1,433台分、一人当たりにすると毎日おにぎり1個分(114グラム)の食べものを捨てている計算になります。
 また、日本の年間ロス量は、国連世界食糧計画(WFP)による世界の食料支援量の約1.2倍に相当します。
 そのような大量の食品ロスは、どのような段階や理由で発生しているのでしょうか。リンク先のグラフをご覧ください。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/10/277_loss.pdf

右端の棒グラフが最新(2021年)の推計値です。
 その内訳をみると、事業系が279万トン(53%)、家庭系が244万トン(47%)とほぼ半々となっています。さらに家庭系の内訳をみると、食卓にのぼったのに食べ切られずに廃棄されたもの(食べ残し)が43%、賞味期限切れ等により手つかずのまま廃棄されたもの(直接廃棄)が43%、野菜の皮を厚くむき過ぎたなど食べられるはずなのに捨てられたもの(過剰除去)が14%となっています。

次に、近年における食品ロス量の推移をみると、現在のような調査が行われるようになった2013年以降で最もロス量が多かった2015年に比べると、19%とそれなりに減少していることが分かります。しかし、事業系は22%減少しているのに対して、家庭系は16%の減少にとどまっています。さらに家庭系の内訳をみると、直接廃棄は逆に27%増加(86→109万トン)しているのです。

現在、世界には7億人以上の栄養不足人口がいます。日本は、その世界から大量の食料を輸入し、その相当部分を廃棄している現状にあります。また、ごみ処理にはコストがかかりCO2も排出されます。さらには食料自給率向上の観点からも、食品ロスの削減は、真摯に取り組むべき重要な課題であることは間違いありません。そのためには(私自身も含む)消費者が大きな役割を担っているのです。

(資料)
 消費者庁「食品ロス削減関係参考資料」から筆者作成。
  https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/efforts/assets/efforts_230609_0001.pdf

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.277、2023年10月15日(日)[和暦 長月朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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