消費者庁「令和4年度第3回 消費生活意識調査」(2022年12月)はエシカル消費を取り上げています。本調査では、「エシカル調査(倫理的消費)」を「地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動」と定義しています。
エシカル消費を知っていると回答した人の割合は26.9%で、2016年(6.0%)、2019年(12.2%)に比べると、認知度が徐々に浸透してきていることを示しています。
エシカル消費に対する認知度・興味、実践の状況を、性別・年齢階層別に示したものがリンク先の図268です。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/06/268_ethical.pdf
これによると、エシカル消費について「言葉と内容の両方を知っている」と回答した人は全体で7.6%ですが、年齢階層別にみると最も高いのは10代の8.3%、次いで20代が2.2%と若い世代が高くなっています。
また、エシカル消費に「非常に興味がある」と回答した人は全体で6.3%であるのに対して、10代は12.7%と非常に高くなっています。一方で「あまり興味がない」「全く興味がない」と回答した人は20代が64.1%ともっとも高くなっています。
さらに、エシカル消費の実践度については、10代を別にすれば高齢層ほど高くなっています(高齢層では、特にマイバッグ等の利用、節水・節電、地域コミュニティ活動への参加といった選択肢への回答が多くなっています)。
このように、総じて若い世代はエシカル消費の認知度は高く、興味もあるものの、現実には実践につながっていない面もあることが伺えます。
別の設問にある「エシカル消費に取り組んでいない理由」としては、若年層は「参加方法が分からない」「余裕がない」等の回答が多く、一方で「おしゃれなデザイン・活動だったら実践したい」とする回答が他の世代に比べてかなり多くなっています。
将来の消費社会を形作っていく若年層のエシカル消費の実践度を向上させていくには、この辺りにヒントがあると思われます。
データの出所:消費者庁「令和4年度第3回 消費生活意識調査」(2022年12月) から筆者作成。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/research_report/survey_003/
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.268、2023年6月3日(土)[和暦 卯月十五日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
(↑ 購読(無料)登録はこちらから)
(↓ 「F.M.豆知識」のバックナンバーはこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/mame/