【豆知識】農村地域の持つ役割に対する意識

【ポイント】
 大都市の居住者は、食料供給や良好な景観形成等の農村の役割は高く評価しているものの、積極的に過疎地域に行って協力しようとする意識は低いものとなっています。

内閣府では、テーマを変えつつ「農山漁村に関する世論調査」を定期的に実施しています。2021年6月には、農村地域の持つ役割や、都市地域と農山漁村地域の交流についての意識についての調査が行われました。
 調査対象は全国18歳以上の者3,000人で、有効回収数は1,655人(55.2%)です。
 リンク先の図289は、農村地域の持つ役割等に対する回答を都市階級別に示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/04/289_yakuwari.pdf

これによると、農村地域の持つ役割の中でどのようなものが特に重要と思うか聞いたところ、「食料を生産する場としての役割」を挙げた者の割合が86.5%と最も高く、以下、「多くの生物が生息できる環境の保全や良好な景観を形成する役割」(63.9%)、「地域の人々が働き、かつ生活する場としての役割」(60.7%)、「水資源を貯え、土砂崩れや洪水などの災害を防止する役割」(45.3%)等となっています(複数回答、棒グラフ)。
 また、これを都市規模別に見ると、大都市(特に東京都区部)の居住者で総じて高くなっています。

一方、折れ線グラフは、高齢化などにより活力が低下した農村地域について「積極的にそのような地域(集落)に行って協力したい」と答えた者の割合です。全体が4.6%となっているのに対して、東京都区部では1.8%と極めて低くなっています。

大都市(東京都区部)は農村地域から遠く訪れる機会が乏しいという事情はあるかも知れませんが、大都市の居住者は食料供給や景観形成に果たしている農村地域の役割を認識しながら(受益しつつ)、積極的に協力したいという意識は低いという状況が伺えます。

[データの出典]
 内閣府「農山漁村に関する世論調査」(2021年6月調査)から作成。
 https://survey.gov-online.go.jp/r03/r03-nousan/

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.289、2024年4月9日(火)[和暦 弥生朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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