【豆知識】消滅集落跡地で放置される森林、農地

【ポイント】
 過疎地域等における消滅集落跡地では、森林や農地の半分以上が「放置」されている現状にあります。

総務省が全国の過疎地域等1,045市町村を対象に実施した調査(2020年3月)によると、2015年以降に全国の96市町村で164集落が消滅しています。リンク先の図290は、この消滅した集落の跡地における主な地域資源の管理状況を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/04/290_kanri.pdf

これによると、集落が消滅した後でも道路は86%、用排水路は70%が管理され続けており、管理主体は主に行政となっています
 一方、農地については管理されている割合は49%、森林は46%にとどまっており、過半が「放置」されていることが分かります。これらは多くが民有地であるため、主に民間(元住民、他集落)が管理しており、行政の役割は大きくありません。

国全体として木材自給率や食料自給率の向上が重要な課題となっていますが、そのための貴重な資源(森林、農地等)が中山間地域等においては適切に管理されず、多くが放置されているという現状にあります。この状況は、国土や生物多様性の保全の観点からも懸念せざるを得ません。

[データの出典]
 総務省「過疎地域等における集落の状況に関する現況把握調査(最終報告)」(2020年3月)から作成。
 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei10_02000066.html

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.290、2024年4月23日(火)[和暦 弥生十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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