【ブログ】第3土曜の会(東京・駒込)

2024年4月も後半に。
 天候は不安定ながら初夏のような陽気の日もあり、例年より少し早く4月15日(月)には「菌ちゃん畑」に夏野菜を植え付け。枝豆も播種。
 自宅浴室の窓を開けると、向かいの幼稚園の八重桜が満開です。

八重桜も盛りを過ぎた4月20日(土)は東京・駒込へ。駅前から南へ続く商店街は懐かしいような風情です。
 文京区勤労福祉会館の隣の公園には、都電6000系と、戦時中に製造された物資輸送用車両「乙1型」(初めて見ました!)が保存・展示されていました。
 会館1階の会議室で14時から開催されたのは「第3土曜の会」です。

第3土曜の会は、JA(農協)全国組織のOBなど有志の方たちによる自主的な勉強会で、農業関係や労働関係など幅広いテーマについて、毎月、勉強会を開催されているとのこと。
 コロナ禍の間もオンラインにより継続されてきたそうです。

 この日はハイブリッドでの開催で、会場には7名、オンラインで3名の方が参加されていますした。

まず、参加者一人ひとりから自己紹介と近況報告。
 続いて中田から「フード・マイレージから食と農を考える」と題して、パワーポイントの資料(表紙には、先日訊ねた熊本・山都町の通潤橋の写真)を用いて説明させて頂きました。
 事前にお送りしていた資料は、印刷して参加者に配って下さっています。

当日の説明資料より(以下、同様)。

自己紹介に続いて、フード・マイレージの概要と計算方法、輸入食料のフード・マイレージの国際比較、食料輸送に伴うCO2排出量の大きさ(「家庭でできる省エネ」との比較)等について説明。
 また、地産地消のCO2削減効果についてのいくつかのケーススタディを紹介するとともに、さらに輸送部門に限定されている等のフード・マイレージ指標の限界も説明。

さらに、2022年度の日本の温室効果ガス排出量(4月12日、環境省公表)は史上最少となったものの運輸部門については前年度に比べて増加していること、「私たちにできること」として、自分自身の健康と地球環境はつながっていること(「ワンヘルス」)等も説明しました。

続いて、日本の食と農にかかわる最大のリスクは、国際情勢や地球温暖化問題よりも、むしろ国内の食料供給基盤の脆弱化(担い手、農地)であること、大都市の住民は農村の役割(食料供給、環境保全等)に対する認識は高く享受しているものの、積極的に農村地域に行って協力したいとする者の割合は少ないこと、過疎地域では農地や森林の多くが適切に管理されず「放置」されている現状等についても紹介しました。

 そしてフード・マイレージを意識することは、その食べものの産地や生産者を意識し、文化や風土への気づきにつながるのではないかと提起させて頂きました。

1時間強の説明の後は休憩を挟み、参加者の皆様との間で質疑応答、意見交換。以下のような本質を突いた質問を頂きました。
Q 消費者には食べものにお金を払ってもらう必要があるとの話があったが、格差や貧困の問題をどう考えているのか。
 →A(中田)あくまで総論だが、携帯やネットに対する家計の支出は多く、もう少し食料に支出できる余裕はあるのではないかと考えている。

Q 輸出振興はフード・マイレージと相容れないのではないか。
 →A 日本は食料輸入に比べて輸出が極端に少ない。諸外国と比べても極めてバランスを欠いている。CO2だけではなく、地域振興の観点からも輸出は重要と考える。

Q 畜産は多くのCO2を排出している。培養肉をどう思うか。
 →A 畜産が大量のCO2を排出している主要因は、世界的には畜産のための農地開発(CO2吸収源である森林の減少)、日本の場合は輸入飼料に依存していること。エネルギーを使う培養肉よりも、放牧主体の阿蘇のあか牛等に注目してもらいたい。放牧は地域の資源や環境を保全する役割もある。

Q 現在の農林水産集の政策の中でフード・マイレージはどのような位置づけか。
 →A 農業分野の環境政策のなかでは、つい先日に国会での質疑もあったが、明示的には取り上げられていない。国内輸送と異なり国際的な輸送については対応が難しい面があり、京都議定書やパリ協定の国別約束の中にも含まれていない。一方、食育のひとつのツールとしては白書等の中で取り上げられている。 

多くの貴重なご意見も頂きました。
 例えば「食育」ではなく、農業と結びつけた食農教育や体験活動が重要ではないかとの意見。
 さらに栃木からオンライン参加された方は、近所の熱心な高齢農家の方の「周りから農地を引き受けてくれと頼まれるが、これ以上は無理と断っている」といった話を紹介して下さいました。 

17時前に終了。駅に向かう途中にある熊本料理のお店での交流会に参加させて頂きました。
 談論風発。かつてJAの全国組織等のトップクラスの地位にいらっしゃった方がほとんどで、現在も顧問等として活動されている方、現役のマスコミ関係の方、個人でパレスチナ問題に取り組んでいる方など、経験・見識とも深い方ばかりです。

 また、年齢的には私からは大先輩に当たる方がほとんどでしたが、現在もこのような勉強会を継続し、学んでおられる姿勢には大いに感服しました。個人的にも叱咤激励された気分になりました。
 貴重な経験をさせて頂いたご縁に感謝です。機会があれば、また第3土曜の会に顔を出させて頂きたいと思っています。

(参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」(月2回配信、登録無料)
 https://www.mag2.com/m/0001579997