【豆知識】増加する加工・調理食品への支出額

【ポイント】
 消費者は、ライフスタイルや嗜好の変化を反映して一貫して加工食品や外食への支出を増やしていますが、供給側の企業活動も影響しているとの指摘もあります。

18世紀半ばの産業革命以来大きく発展した資本主義は、食料や農業にも大きな影響を及ぼしてきました。消費者の食料消費のかたちも大きく変化しています。
 家計における食料消費の長期的な推移を示したものが、リンク先の図286です。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/02/286_kakei.pdf

これによると、1963年の時点では1世帯当たり年間20万円弱だった食料消費支出額は、高い経済成長率を反映して大きく増加し、ピークの1993年には120万円弱と5.5倍にまで増加しました。なお、その後は経済の停滞、世帯員数の減少もあって、ピーク時の7割弱にまで減少しています。
 この食料消費支出額の推移を生鮮品、加工・調理食品、外食別の構成割合をみると、1963年の時点では51%を占めていた生鮮食品は一貫して低下し、2023年には27%となっています。一方、加工・調理食品はから42%から56%へと一貫して上昇しており、また、外食も7%から17%へと上昇しています。ちなみに最近は、コロナ禍の影響が明らかに見て取れます。

このように、家計調査からみても「食の外部化」が進行しています。つまり、家庭内で行っていた調理を家庭外(食品メーカーやスーパーなど)に依存する、あるいは食事そのものを家庭外で行う機会が増えたのです。
 これは、「食の洋風化」の傾向と同様、基本的には消費者のライフスタイルや嗜好の変化に基づくものと考えられますが、「ほんのさわり」欄で紹介するように、平賀緑さんは供給側(企業による大量生産・販売)の影響もあると指摘しています。

データの出典:
 総務省「家計調査」(時系列データ)
 https://www.stat.go.jp/data/kakei/longtime/index3.html
 https://www.stat.go.jp/data/kakei/longtime/index.html#time

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.286、2024年2月24日(土)[和暦 睦月十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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