【豆知識】農地面積に占める市民農園の面積の割合

【ポイント】
 東京、神奈川等では市民農園の面積の割合は特に大きく、都市住民が土に触れる貴重な場となっているとともに、農業や農村に対する理解を深める面でも重要な役割を担っています。

市民農園とは、非農家や都市住民がレクリエーション等のために、小面積の農地を利用して野菜等を育てるための農園のことをいいます。2022年3月末時点の日本の市民農園数(注)は4,235農園・187,006区画で、面積は1,293haとなっており、農園数、面積ともこの20年間で約1.6倍に増加しています。

(注)特定農地貸付法、市民農園整備促進法及び都市農地貸借法の手続きに沿って設置された農園の数値で、いわゆる農業体験農園(園主の指導の下に利用者が継続的に農作業を行う農園利用方式の農園)は含まれていません。

 このように増加が著しい市民農園ですが、全国の農地面積に占める割合は0.03%に過ぎません。ただし、この割合は地域によって大きな差があります(リンク先の図285参照)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/02/285_shiminnouen.pdf

これによると、関東、東海、近畿といった大都市圏を含む地域では0.07%と比較的高くなっています。さらに、東京都では1.21%、神奈川県では0.65%と、特に高くなっています。これは、これら地域ではもともと農地面積が少ないことに加えて、都市住民の市民農園に対するニーズが大きいことを反映しているものと思われます。

 市民農園で栽培・収穫される野菜等の量は、農業生産全体の中ではごくわずかでしかありません。しかし、非農家や都市住民が土や農に触れる貴重な機会が得られる貴重な場となり、都市住民等の農業への理解を深め、離れてしまっている食(食卓、消費者、都市)と農(産地、生産者、農村)との間の距離を縮めるきっかけともなります。このことが、ひいては、日本全体の食料供給力の維持・増進に貢献していくことが期待されるのです。

データの出典:
 農林水産省「耕地及び作付面積統計」(2022年7月15日現在)、「市民農園開設状況調査」(2022年3月末現在)、関東農政局「関東農政局管内の市民農園開設状況」
 https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/menseki/index.html
 https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/tosi_nougyo/attach/pdf/s_joukyou-1.pdf
 https://www.maff.go.jp/kanto/nouson/shinkou/nouen/attach/pdf/index-3.pdf

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.285、2024年2月10日(土)[和暦 睦月朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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