【ブログ】新人世の資本論、奥沢ブッククラブなど

異例続きだった2020年も、早くも12月半ば。

 12月12日(土)の夕刻は、斎藤幸平さんのオンラインセミナー「 脱成長経済と社会的連帯で気候危機に立ち向かう 」を視聴。緑の党が主催する連続セミナーの一環とのこと。
 斎藤幸平さんは大阪市立大准教授ベのマルキスト。べストセラー『人新世の資本論』は多くの示唆に富む著作です。

1%の超富裕層が牛耳る資本主義の克服が必要とする斉藤さん。
 「Z世代の新しい価値観(肉を食べない、飛行機に乗らない、ファストファッションは着ない)は辛いガマンを強いるものではなく、もっと公正な社会、平等で持続可能な社会を作りたいというクリエイティブ、ポジティブなもの。
 若者たちだけに任せておけない。大人も新しい価値観を学びなおし、ともに行動することが必要」等と訴えられました。

 正直、未来への具体的な処方箋については目新しいものは乏しいと感じましたが、それはそもそも、安易で簡便な処方箋はあり得ないということの証左です。自ら探索していくことが不可欠です。

12月14日(月)も冬晴れ。
 昨日辺りから自宅の無線LANの速度が低下。電話相談室のアドバイスを受けて、ルーターとモデムの電源を入れ直すと回復。

 ほっとして、近所に新しくできたカフェへ。小さな、気持ちのいい空間です。コーヒーも、梨のチーズケーキもおしゃれで美味。ランチは人気で予約限定とのこと。

 帰りに老舗ソース屋さんの牛肉コロッケを購入。
 夕飯の食卓には山梨・上野原市西原の地大豆も。茹でただけですが驚くほどの甘さです。 

埼玉・小川町で田んぼをされている友人から、お米とお芋が届きました。
 昨年は田植えにお邪魔しましたが、今年は一度も行けませんでした。それでも、今年はよく獲れたからとお裾分けして下さったのです。
 Iさん(二胡の演奏家でもあります)、有難うございました。

その14日(月)の夕方は、第62回 奥沢ブッククラブにオンライン参加。この日の参加者は6名ほどと少人数です。

参加者一人ひとりから紹介して下さったおススメ本は、北条民雄『いのちの初夜』(今週土曜日にイベントが開催されるようです)、モーテン・デュアーの絵本『ZENOBIA ゼノビア』、カポーティ『クリスマスの思い出』、内田百閒 『第二阿房列車』、浜本隆志『シンデレラの謎 』、かげした真由子『命日占い』など。

 私からは真藤順丈『宝島』をおススメしたところ、樋口耕太郎『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』も面白そうだという紹介もありました。

後半は課題本のサマセット・モーム『雨』について。
 キリスト教の植民地主義に対する違和感(不快感)、宗教者と生の人間(男)であることの葛藤、最後のどんでん返しは文明と野蛮の逆転を象徴しているのでは、等の感想や意見が交わされました。
 最後、恒例のUさんの絵本の朗読は、シャーロット・ヴォーグ『でんしゃがくるよ!』 電車好きの子どものわくわく感が伝わってきました。

 なお、次回は、例の(!)斎藤幸平『人新世の「資本論」』を課題本に、1月11日(月)に開催される予定です。

それにしても感染拡大が留まらず、医療関係者の方たちの苦境が伝えられています。
 3回ほど前の奥沢ブッククラブの課題本として読んだカミュ『ペスト』のように、市民の中から当事者として立ち上がる人たちが必要なのかもしれません。