2020年も11月に入りました。
近所のカリンの樹には実がたわわ、地面にもゴロゴロ。
気温が下がるにつれて、新型コロナウィルス感染が拡大しつつあるのが気がかりです。

そのようななか、11月5日(木)の夕方は、自宅からオンラインで豊島区法制化フォーラムに参加。
主催は日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)センター事業団とワーカーズコープ東京中央事業本部です。

開会に先立ち、ワーカーズコープの紹介動画(『ワーカーズへの招待』)が再生されました(事業団のウェブサイトからも観ることができます)。
福祉、農林業、BDF、地域づくり等の面で活躍している各地のワーカーズ・コープが、次々と紹介されます。登場される方たちの笑顔が印象的です。

18時にフォーラム開会。総合司会は、豊島エリアマネージャー・神戸川 歩さんです。
東京中央事業本部の山田浩史本部長による開会あいさつに続き、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会の田嶋康利専務理事から、「協働労働という働き方と労働者協同組合法」と題して説明がありました(以下、文責は全て中田にあります)。

「協働労働とは『共に生き、働く社会をめざして、市民が協同・連帯して、人と地域に必要な仕事をおこし、地域社会の主体者となる働き方』のこと。
事業団は1987年の発足以来、NPO法等を便宜的に活用しつつ、新たな法制化に向けて活動してきた」

「労働者協同組合が大切にしている価値は、先人たちの思いと伝統(失業・貧乏の解消と戦争反対)に加えて、人間の主体性への信頼と当事者性の尊重、協同の価値(多様性)、コミュニティへの関与と次世代・未来への責任。
自分たちだけの利益ではなく、社会変革・社会連帯の思想を大切にしている」
「欧州や韓国など世界では1,115万人が労働者協同組合等に参加して働いている。国際協同組合(ICA)には109か国の312の協同組合が参加。2012年は国連が定めた国際協同組合年だった」

「本年6月、与野党・全会派の合意・賛同のもと法案が国会に提出され、この臨時国会で成立しようとしている」
「出資、意見反映、事業従事(労働)を原則とするところが、他の協同組合やNPO法人とは本質的に異なる。設立手続きは届け出制で、事業の種類についての制限もない」
「現代は『未来への大分岐』にある。孤立や排除をなくし、一人ひとりの願いや思いが大切にされ、みんなの力で実現できる『関係の豊かな社会』を創っていきたい」

後半は、東京中央事業本部の北川 裕士事務局長のコーディネートによるパネルディスカッション。
中部・まめの樹事業所(佐藤 舞優副所長)、としま宙事業所(豆田 明日香所長)、地域共生型就労拠点こみっとプレイス (千葉加奈子さん、松岡美幸さん)から、それぞれ活動の内容等について紹介がありました。
さらに、みんなのふくろう食堂(牧野斉子事務局長)からの特別報告。
コロナ禍によりイベントや子ども食堂等の活動はやりにくかったそうですが、ようやく慎重に再開されつつあるようです。
質疑応答では、よいしごとステーション(協同組合の求人・講座紹介の専門サイト)の紹介もありました。
また、11月14日(土)、15日(日)には、協同労働実践交流全国大会がウェブ開催されるとのこと。

最後に、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会センター事業団の田中羊子理事長からの閉会あいさつ。
長年にわたって活動されてきた田中理事長にとっても、ようやく法制化の運びにあることは感慨無量のようです。モニターを通して、熱い思いがびんびんと伝わってきました。
1人ひとりが社会をつくる主体者になることを目指す協同労働の理念には、深く感じるところがありました。私自身も、その主体者の一人になれればと思った次第です。

ところでこの時間、テレビでは米大統領選の開票速報が。バイデン前副大統領が優勢との情勢。
米社会の分断の解消につながる結果となればいいのですが。