−マシンガンズ滝沢秀一『やっぱり、このゴミは収集できません 〜ゴミ清掃員がやばい現場で考えたこと〜』(白夜書房、2020.9)−
http://www.byakuya-shobo.co.jp/page.php?id=6413
著者は1976年東京生まれ。お笑い芸人として活躍しつつ、定収入を得るためにゴミ収集会社に就職したという「半ゴミ収集人・半芸人」。本書は2018年の前著の続編です。
芸人らしく軽妙でぶっ飛んだ文体とイラストで著されているのは、ゴミ収集現場の過酷な現実です。時には得体の知れないゴミに身の危険さえ感じ、住民には「ゴミ屋」と差別されながらも、淡々とゴミを収集して回る日々が描かれています。
8年間の清掃活動で気づいたことは多いそうです。
例えば、超金持ちはゴミの量は少ないこと。自分が価値を認めたもの以外にはお金を使わないのに対して、一般庶民はどうせ捨ててもいいと思って安いものを買っているのです。また、きちんと分別をしない会社は6年以内になくなるとも。
コロナ禍でマスクが入手できなくなったこと、ステイホームと断捨離でゴミの量が急増したこと等も描かれています。
著者は、とりわけ食べ物のゴミには心が苦しくなるとのこと。
可燃ゴミの袋に入れられたみそ汁や牛乳、生のお米、開封されていない高級ゼリーや丸ごと3つのメロン等を見るうち、自分はちゃんと食べきろうと心に決め、弁当を手作りするなど自らの生活習慣も変えていったそうです。
ギニア出身の清掃員から「ナンデ、ニホンジン、ステルモノ、カウノ」と問われたこともあるという著者は、3R(Reduce、Reuse、Recycle)にRespectを加えた「4R」を提唱します。
食べものを作った人や料理した人のこと、あるいは清掃員の大変さを想像するだけで、劇的にゴミは減ると著者は語っています。
出所:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
No.203、2020年10月17日(土)[和暦 長月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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