【ブログ】『未来につなぐおいしい解決策』(ご近所ラボ新橋)

2024年も6月に入りました。
 1日(土)の午前中は「縁ひらく庭・百才[ももとせ]」(東村山市久米川町)へ。古民家を改装したスペースでは、百才つながる市「thank you おたすけ市」が開催中。おむすび、雑穀、焼き菓子、雑貨などが出店されていました。
 30日(日)には、ここで髙坂勝さん(千葉・匝瑳市)の「お話会」が開催される予定とのこと(申し込みました)。

 自宅近くに一画をお借りしている市民農園。
 菌ちゃん畑で色づいたトマトを初収穫。梅雨が近くなり、枝豆等は(雑草も)ぐんぐんと生長しています。しかし落花生、スイートコーン、ナスは依然として不調。

翌2日(日)は雨模様。
 日比谷図書文化館でアリス・ウォーターズ「スローフード宣言-食べることは生きること」(海士の風書房)を借り、取り急ぎナナメ読みしてから、ご近所ラボ新橋(港区新橋6、きらきらプラザ新橋)へ。途中、この日は港区長選挙の投開票日との掲示も。

 コロナ禍以前はしばしば訪れていたのですが、久しぶりです。懐かしい、顔見知りの方たちと再会できました。

この日開催されたのは、ドキュメンタリ映画『We are what we eat〜未来につなぐおいしい解決策』(『食べることは生きること ~アリス・ウォータースのおいしい革命』と同じもの)の上映会/語る会。
 かねて観たかった映画です。30席ほどの椅子は満席。

 13時30分、スタッフの方により開会。まずは近くの方たちとグループになり自己紹介など。

続いて上映。見やすいように、モニターと壁の2面に映写して下さいました。
 1970年代にオーガニック/地産地消レストラン「シェ・パニーズ」を開店し、エディブルスクールヤード(食育菜園)創始者でもあるアリス・ウォータースさんが昨年、来日され、日本各地でワークショップや講演などを行われました。
 その時の様子、彼女が残した言葉等を記録し、次世代に繋ぐために制作されたのが、このドキュメンタリとのことです。

 島根・海士町では生徒たちに交じって学校給食を味わい、徳島・神山町(シェ・パニーズの元料理人が移住されているとのこと)では生産者等と交流。
 ご主人自ら歩いて食材を求め調達している京都の日本料理専門店や、石見銀山にある武家屋敷をリノベーションした「宿泊施設」の様子なども紹介されます。
 そしてアリスさんは、「日本には大きな可能性がある」と力強く語りかけます。
 1時間強の上映後には、自然に参加者から拍手が起こりました。

「食べることは生きること ~アリス・ウォータースのおいしい革命~」公式サイトより。

個人的にはモヤモヤ(違和感)が残る映画でした(モヤモヤが残るのは、いい映画だからこそです)。
 その一つは、紹介されている日本料理屋も宿も、相当に高級そうであること(後にネットで調べましたが、やはり私には無縁のようです)。これらを代表事例であるかのように取り上げることは、ともすればオーガニックもローカルフードも、あたかも余裕のある「お金持ち」のためのものでしかないかのような誤解を招きかねません。ちなみにシェ・パニーズも、それなりの値段のようです。
 そうではなく、正にご近所ラボ新橋の屋上菜園(「たべるはたけ部」)のような、自分たちでできる身近な取組みこそが重要なのでは、と思った次第。

 もう一つの違和感は、日本の描き方が理想的に過ぎるのではないかということ。確かに紹介されているような素晴らしい事例はあるものの、例えばオーガニックの取組み面積の割合は、日本はヨーロッパに比べて非常に低い水準にあります(農水省資料によるとイタリア18%、ドイツ・フランス10%に比べて日本は0.6%(アメリカと同水準))。
 もっとも現状が低調だからこそ、伸びしろ(可能性)は大きいということかも知れませんが、課題提起型のドキュメンタリとしては片手落ちではないかと感じました。

 休憩の後は「対話」の時間。4名ほどのグループで、この日の映画の感想や、日頃、食について考えていること等について話し合い。
 「ベランダ菜園などできることから少しでも実践していきたい」「土に触れることで食や農を『自分ゴト』として捉えられるようになるのでは」等の意見が述べられました。
 さすが、この場に来られている方たちは意識も高く前向きですが、果たして日本の「普通の」消費者の意識と行動はどのようなものでしょうか(余談ながら、「意識高い系」って嫌な言葉ですね)。

さらにクローズの後(放課後)は、スタッフの方が準備して下さった三鷹・冨澤ファームの野菜、ぜんざい(能登の大納言)などを頂きながら、引き続き参加者の方たちと懇談です。

 念願の映画を観ることもでき、楽しくかつ美味しいイベントでした。主催者・スタッフの方に感謝です。
 久々に訪ねたご近所ラボ新橋は、コロナ以前と変わらない快適なスペースでした。
 頂いたパンフレットやカレンダーによると、コロナ禍以前と同様、様々なイベントや屋上菜園等の取組みを続けておられるようです。

ご近所ラボ新橋HPから、概要カレンダー

6月30日(日)13時からは、10周年記念のオープンラボが開催されるとのこと。
 この日は生憎と髙坂さんの講演と重なってしまいましたが、今後、しばしば足を運びたいと思っています。

(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」(月2回、登録無料)
 https://www.mag2.com/m/0001579997