【オーシャン・カレント】「和暦日々是好日」

お正月といえば、新しいダイアリー。私が毎年愛用しているのは和暦手帖『和暦日々是好日』です。
 江戸から明治期の和本から収集された豊富な図版は美しく、その楽しい解説を読むことで自然に季節感を身につけることができます。

明治時代に導入された現在のカレンダー(太陽暦、グレゴリオ暦)は、世界共通の時間軸としては便利ですが、日付と曜日だけが意識され、自然界のサイクルを感じにくいものとなっています。
 これに対して和暦(太陰太陽暦)は、太陽と月の周期を併用した暦で、月のリズムで日にち(1日は新月、15日はほぼ満月)を、太陽のリズムで季節(二十四節気等)を知ることができるというものです。日本人は、長い間、月の満ち欠けと季節の変化という異なる2重の時間軸を感じながら生活していました。暮らしも農作業も年中行事も、暦を意識して行われていたのです。
 つまり「月と暮らす、季節と暮らす、地球の呼吸を感じる」ことができるのが「和暦」なのです。

製作者である高月美樹さん(ルナワークス)は、最新版(2018年版)のなかで、
 「これからの時代は、右肩上がりの経済成長や目先の利便性を追い求めても、永続的な幸福は手に入らないことに多くの人が気付き始めている」「この地球で私たちが永続していくためには、命のつながりや多様性を重んじる新しいパラダイムの構築が必要」等と述べられています。
 まずは和暦を生活の中に取りいれることから、自然に寄り添う暮らしを目指していきませんか。

ところで今日(2018年1月1日)は和暦では霜月十五日。まだ去年だと思うと少し安心したりして。2018年版『和暦日々是好日』は2月16日(睦月朔日)スタートです(まだまだ間に合います)。

[参考]
 『和暦日々是好日』
 http://www.lunaworks.jp/

F.M.Letter No.134、2018.1/1[霜月十五日]所収】