再生に向けて

  6月9日(木)の昼休みは新宿へ。この日まで三井ビル・エプサイトで開催されていた尾崎たまきさんの写真展「いまも水俣に生きる」を見学。先日、日本経済新聞の文化欄で紹介されていて、必ず見に行こうと思っていたのが気がつくと最終日。

水俣と言えば、どうしても悲惨な水俣病のイメージが強く、また、水俣の写真といえば、かつてのユージン・スミス氏や桑原史成氏の、胸がえぐられるような水俣病の記録写真の印象が鮮烈です。

 ところが、熊本市出身の水中写真家・尾崎さんのテーマは水俣の海の魅力。水俣湾を囲んでいた仕切り網も10年以上前に撤去され、尾崎さんの写真からは、豊穣の海が蘇りつつあることが伺えます(右の写真は尾崎さんのウェブサイトから)。
 さらに、水中写真だけではなく、故・杉本栄子さんのご家族など、水俣の海に生きる人たちの豊かな表情も捉えています。

筆舌に尽くしがたい悲惨な過去を持つ水俣は、現在は環境教育の最前線でもあります。豊かな水俣の海の姿を追い続ける尾崎と「環境ネットワークくまもと」との協働が実現すれば素晴らしいな、などと勝手に想像しています。

 翌6月10日午後は、中野サンプラザで東京都JA資産管理部会連絡協議会の通常総会で、「フード・マイレージ-江戸東京野菜が地球を変える?」と題して説明させて頂きました。

東京はカロリーベースの食料自給率は1%に過ぎません。しかし、今、大竹道茂さん達の尽力にユリ、江戸東京野菜の復活・普及の取組が盛んに行われています。
地産地消は、様々なメリットがありますが、輸送に伴うCO2排出量を削減するという意味でも有意義です。そのような話を、具体的な計算例も示しつつ、説明させて頂きました。

 農林中金総研の蔦谷栄一先生は、かねて「都市農業は日本農業の先駆け」と位置付けられています。都市農業ゆえのご苦労も多いでしょうし、東京で自給自足はおよそ非現実的ですが、それでも少しずつでも循環型の社会形成に向け、東京での農業のさらなる復権に期待したいところです。
 さて、午後から休暇を取り16時頃には終了したので、念願だった新宿末広亭へ。寄席は久しぶりで堪能しました。
 今、最も注目しているのは「東京ガールズ」

それにしても、会場は少し空席が目立ちました。皆さん、もっと寄席に行きましょう。ライブはいいものです。

6月12日(日)は、竹橋のちよだプラットフォームスクウェアで開催された農商工連携フォーラム「私たちの未来への提言~3.11後の時代へ」を聴講。この日は、NPO法人農商工連携サポートセンターの総会に引き続いてのフォーラムだったようで、同NPO理事の皆様からの報告。

 登壇されたのは、同NPO代表理事の大塚洋一郎氏、大和田順子氏(ロハスビジネスアライアンス(LBA)共同代表)、山名清隆氏(日本愛妻家協会事務局長)、渡邊智恵子氏(株式会社アバンティ代表取締役)、曽根原久司氏(NPO法人えがおつなげて代表理事)、それに藤田和芳氏(株式会社大地を守る会代表取締役)という錚々たるメンバー。
 藤田会長の唱歌「夕焼け小焼け」に籠めた思いなど、いずれも心に残る報告でした。
 大和田順子さんからは、新著「アグリ・コミュニティビジネス」を購入させて頂き、サインまで頂きました。副題は「農山村力×交流力 でつむぐ幸せな社会」、全国各地の様々な事例が紹介されており、未来に向けてのヒントが満載です。