伝統小松菜のケークサレが結ぶもの

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 2月12日(日)は、小金井市のNPO法人ミュゼダグリ主催の「STUDY & CAFÉ」に参加。ほぼ毎月開催されている「美味しい」セミナーです。
 この日、まず前半は私から「あなたの食が地球を変える〜江戸東京野菜とフードマイレージ〜」と題して90分ほどの説明。日本人の食の変化とその悪影響、食料自給率と世界の食料事情、食べ残し、そして食生活と環境問題(説明資料)。
 後半はお楽しみのカフェタイムです。
 この日は、野菜ソムリエの城ノ戸智美さんから、一般に流通している小松菜と伝統小松菜の比較について説明を受けながら、おひたしの食べ比べ。
(写真はそれぞれ左が一般のもの、右が伝統小松菜)。
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 一般に流通している小松菜は、実はチンゲンサイと掛け合わせたものだそうで、茎は長くしっかりしており、栽培や流通、調理の手間もかからないのに対し、伝統小松菜は葉がしんなりとしており、収穫に手間がかかり流通段階のロスも大きく、調理の際も手早さが必要とのこと。
 味は、一般のものはしゃきしゃきと淡泊、伝統種は味が濃いという違いが素人の私にも分かりました。ただ、味の好みはそれぞれとのことで、サラダなど色々なドレッシングに合うのは一般種の方かも知れません。
 続いて、城ノ戸さんお手製の伝統小松菜を使ったケークサレ(塩味のケーキ)、夏みかんのババロア等を頂きながらの座談会。
 この日の参加者は、栄養士や学校給食関係の方、伝統品種を扱っておられる種苗店の方、出版関係の方、自家菜園を始められた方、学生さんなど多彩です。
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 IT関係の会社に勤める若い男性は、近所の高齢の農家の畑の手伝いを始められたとのこと。単に話を聞いて終わりではなく、意見交換できる時間がありがたいとの感想も。
 江戸東京野菜についての質問には、ミュゼダグリの理事でもある大竹道茂さんが詳しく説明して下さいました。
 参加者の皆さんとの真面目で楽しい話は尽きず、15時半終了予定が、結局、何人かの方とは17時近くまで話してしまいました。
 皆さんの話を伺いつつ、色々と考えさせられました
 現に農業に携わりたいと熱意を持つ若い人達は、たくさんおられます。
 伝統野菜や自給飼料にこだわった畜産は、日本農業の救世主になる可能性がありますが、実際には、市価(輸入品等)より高く買ってくれる安定した顧客が確保されない限り、農業だけで再生産可能な所得を獲得することは困難なのが現実です(国内農業の担い手の高齢化がどんどん進んでいることが、その証左です)。
 しかし一方で、この日の多くの参加者のように、国産品や伝統野菜等の価値を認め、積極的に買いたいと思う消費者も多いのです。そのような方たちは、逆に伝統野菜等を手に入れにくいことに不便と不満を感じています。
 要は、そのような志のある生産者と消費者を、いかに結び付けていくかが課題なのです。
 これまでの大量・効率性のみを重視した市場流通と異なる取組は、既に色々となされています。JAによる直売所、生協や食品事業者による契約生産と宅配、様々な農業体験やグリーンツーリズムなど。
 さらに、このNPOのような市民レベルでの地域での活動。今日いただいた地域の伝統的な食材を使ったお洒落なケーキ等は、地域の食材と生産者の思いを、しっかりと参加者の皆さんに伝えました。
 ミュゼダグリでは、新年度から「江戸東京野菜コンシェルジュ育成事業」を実施されます。
 東京都の「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」のひとつとして、小金井市等の協力を得つつ、江戸東京野菜の普及を図る人材の育成、学校教育や社会教育の現場への派遣等を通じて、東京の伝統野菜の普及と食育、地産地消を促進することがねらいとのこと。
 「黄金の里」小金井から、また新しい取組が拡がっていくことに期待しています。

One Reply to “伝統小松菜のケークサレが結ぶもの”

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    江戸東京野菜コンシェルジュ育成協議会(NPO法人ミュゼダグリ)のサカイです。
    昨年に引き続き、2回目の講座、ありがとうございました。参加者の皆さん、とても興味をもたれ、熱心に質問もされていましたね。
    なかなか一般の方々が、日本人の食の変化とその悪影響、食料自給率と世界の食料事情、食べ残し、そして食生活と環境問題などの「数値」に触れることがないので、新鮮で興味深いものでした。
    また、新年度の江戸東京野菜コンシェルジュの育成事業につきましても、ご協力をご快諾いただきありがとうございました。
    今後とも、よろしくお願いいたします。

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