長かった残暑もようやく収まる気配、代わって強い雨が降る日が多くなっています。
9月19日(水)から3日間、東京ビッグサイト東ホールにおいて「フードシステムソリューション2012」が開催されました。
食の安全・安心を基本テーマに、「学校給食」「病院・福祉・介護食」、「食の安全技術」、「米粉」「飲料・容器」等に関する専門的な展示やセミナーが行われている、大規模なビジネストレードショーです。
私も休暇を取って(業務外ですので)伺いました。
平日昼間の「ゆりかもめ」は空いていて、いつもは良い子の指定席になっている最後尾の「展望特等席」に座れました。
会場の大きなホールでは、大勢の参加者が、学校給食や米粉についての様々な展示を見学されています。
併行して様々なセミナーも開催されており、私からは、「フード・マイレージ-あなたの食が地球を変える?」と題して話をさせて頂きました。
時間も短く、周囲のアナウンス等が聞こえてくる集中しづらい環境でしたが、約50名の参加者の方が熱心に聞いて下さいました。有難いことです。
続いてのプログラム、「日本、韓国で取り組む食育の推進と学校給食」に関するパネルディスカッションも傍聴させて頂きました。
コーディネータは、女子栄養大学短期大学部教授の金田雅代先生です(今回、私に声を話をかけて頂いたのも金田先生でした)。
パネリストは、韓国と日本で食育に取り組んでおられる現場の先生方です。
韓国の状況については、慶尚南道昌原市にある大方初等學校の栄養教師である禹 泰貞先生(理学博士)から報告を頂きました。
伝統食文化の継承・発展を考慮していること、なるべく季節の多様な食品を使用していること、安全性の確保と栄養教育に積極的に取り組んでおられることが印象的でした。
また、子どもはビビンバ(混ぜご飯)は好きでよく食べるけれども、同じ野菜(ナムル)を単品で出すと残すことが多いという話も。野菜の食べ残しを減らすことは、日韓共通の課題のようです。
韓国の学校給食については初めて話を伺ったこともあり、大変、興味深い内容でした。
日本については、栄養教諭・田中広美先生と、ゲストティーチャーとして食育活動を支援されている生産者の肥留間広幸氏から、川口市立辻小学校における取組事例が報告されました。
地域や関係機関、家庭と連携して食育が推進されていること、その一環として、総合学習の時間を利用した学校農園の取組の様子について、説明がありました。
最後に、韓国出張から帰られたばかりという金田先生からは、日韓ともに学校給食が目指しているものは同じ、それは子ども達のために伝統食等よいものを提供すること、とのまとめがありました。
日本と韓国の学校給食、お互いに色々と学ぶところも多いようです。
さて、同じ19日の夕方は、月1回程度「三田の家」で開催されている「共奏キッチン」に顔を出しました。
みんなで集まって料理を作り、食べて交流する、というイベントです。
この日のメインは秋刀魚のカレー。意外な取り合わせでしたが美味です。
いくつかの野菜は、「たかったー」さんが北品川の大塚好雄商店から調達してきてくれたものです。前回もお願いした江戸東京野菜を積極的に扱っておられる八百屋さんです。
今回、寺島茄子は出汁醤油で煮付けました。
他に小松菜とモロヘイヤの醤油麹和え、ゴーヤ、だだ茶豆、トマト、レンジで加熱したポテトに参加者の方お手製のジェノベーゼソースを絡ませたものなど。
飲みものは、生ビールのほかに日本酒、ワイン。デザートには梨。
食材や飲みものは持ち込み歓迎、ということなので、銀座熊本館で求めた「ひご野菜コロッケ」を試食用に持参。知人が起業して始めた商品です。好評だったようで、すぐに無くなりました。
美味しい料理を楽しんだあとは交流の時間。
4人ずつ位で車座になり、いま、関心のあること等について話し合います。この日は年配の方は少なく、若い人ばかりでしたが、皆さん、健康や食べもの、農業に対して強い関心を寄せられておられます。
また、多くの方が、農村地域でのイベント、援農、直売、マクロビ料理教室、地ビールの普及、食に関わる映画のPR等、様々な活動をされています。
ここに来るたびに、食べ物や農業の価値が分かっていて、真摯に向き合い、主体的な行動をされている方達に会うことができ、元気をもらえます。
以前、このブログでも書きましたが、人類が猿から分かれて進化できたのは「共食」の習慣があったからという説があります。
食には、人と人との間を結びつけ、コミュニティを形成する上で根源的な力があるのです。
食料自給率1%という東京の、しかも繁華街のど真ん中で、「食」を仲立ちにした新しいタイプのコミュニティが生まれています。
ここでは「無縁社会」のような嫌な言葉とは、それこそ無縁です。
次回は10月17日(水)予定とのこと。毎回、初参加の方もたくさんおられます。
フェイスブックのページにも掲載されると思いますので、ご関心を持たれた方はお立ちより下さい。
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