猛暑、食堂かたつむり、「畑仕事ハイ」

「猛暑」という言葉を最初に眼にした時は、何と恐ろしげな表現かと思いましたが、その言葉さえ優しく感じられるほどの猛々しく暑い日が続いています。
一方、秋田県など東北では豪雨で土石流の被害が出ています。
ちなみに12日(日)午後には、関東地方でももの凄い雷と雨。一時、都内の一部地域では停電。長時間、不通になった私鉄もありました。

130808_1_convert_20130812064136.png ところで、久しぶりに小説を読みました。
小川糸『食堂かたつむり』。映画化もされた有名な小説だそうですが、私は友達のFB投稿で初めて知りました(豆さん、ありがとう)。
恋人も財産も夢も、声までも失って帰郷した女性が始めたのは、一日一組限定の(レストランでもカフェでもなく)「食堂」。心を込めた料理を食べた客に訪れる奇跡の数々。命を頂くことの意味。伝統食材を守る生産者の思い。そして母との確執と悲しい和解。
料理には、人の心をつなぎ、動かす力があることが、数々の美味しそうなレシピとともに描かれています。食や農業に関心のある方にお奨めです(って、知らなかったのは私だけかも知れませんが)。

ある日の夜、コガネムシが飛び込んできました。
さて、2013年8月11日(土)の、わが市民農園の一画の様子です。
盛夏(立秋は過ぎたとはいえ)の畑は、猛暑に萎えることもなく、多くの作物がどんどんと育っています。
ただ、山梨・上野原の地大豆「せんごく」は、ちょっと葉っぱばかり茂りすぎかも知れず、花が付きません。
落花生は多くの黄色い花をつけつつ、葉を伸ばしています。枝豆はさんざん堪能しましたが、次は茹で落花生が楽しみです。
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加賀太キュウリは、何本目かの実を実らせています。となりの相模半白キュウリも、こちらはまだ小さいものの、実をつけてくれました。
長岡巾着ナスは、次々と丸い実をならせてくれています。隣の仙台長ナスも、一株だけながらどんどんできます。奥羽越ナス列藩同盟は健在です。
スイカは、すっかり葉や茎が枯れてしまい、地面にゴロンゴロンと横たわっている実が丸見えです。
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島オクラも、まだまだ花をつけ続け、実もどんどんできています。毎日、取りに来ないとすぐに大きくなってしまいます。この日も、何本かは20cmほどに大きくなりすぎていました。ちょっと筋張って食べられないかもしれません。
秩父地方等の在来大豆「借金無し」は、花をつけてくれました。ビアフレンドやだだ茶豆は白い花でしたが、こちらは宝石のように鮮やかな紫色です。
福島ひまわり里親プロジェクト」のヒマワリは、多くの大輪の花を並び咲かせて目を楽しませてくれましたが、今はことごとく下を向き、種をつくる段階に入っているようです。植物にとっては、子孫を残すための一番大事な時期です。
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さて、東京からゴマの自給率を上げようという壮大な「東京ゴマ0→1(ゼロワン)プロジェクト」H支場のゴマは、2度の間引きを経て、背丈は50cmほどに伸び、柔らかい緑色の葉を茂らせています。
そして茎には、花芽が付き始めました。檜原村の本場を追いかけています。
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昼前の2時間弱、猛暑の中で地べたにかがんで無心で草むしりをしていると、頭と顔から汗が流れてきて、顎からしずくとなってぽたぽたと落ちます。Tシャツは、たちまち汗でぐしゃぐしゃです。
時折り恍惚感さえ覚えます。
ランナーズハイという言葉がありますが、「畑仕事ハイ」とも呼べるものかも知れません。あるいは、熱中症の一歩手前ということかも。
130810_5_convert_20130812002649.png だだ茶豆の第一弾は、少し残っている実を集めて株を抜きました。
抜いた根っこをみると、たくさんの丸いコブがついています。これは「根粒」(こんりゅう)と呼ばれるもので、マメ科の作物には根粒菌という土壌微生物(バクテリア)が寄生し、大気中の窒素を固定して作物の栄養として供給しているのです。
長岡巾着ナスと仙台長ナス、スイカ、(ジャンボ)オクラ、ピーマン、だだ茶豆などを収穫できました。
この日の天地からの授かりものです。
なお、これらは自宅で頂くのではなく、頼まれて、夕方に開催されるさるイベントに持っていくことになっていたのです。
帰宅してシャワー、ビールと素麺。そこから競馬と野球を見ながら昼寝、というのが週末の黄金タイムですが、この日は都心に向かって出かけました。
シャワーを浴びたばかりなのに、駅まで自転車で10分弱の間に汗が噴き出てきます。