◆ F.M.豆知識
フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎回少しずつ取り上げていきます。
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6 「食と農」豆知識
(4) お米の値段について (2)他の物価との比較
前回は、現在のお米の値段(生産者の手取り価格)が、実際に掛かっているコストを下回っている状況等について紹介しました。
今回は、消費者にとってのお米の値段(小売物価)をみます。
総務省「小売物価統計調査」によると、うるち米の小売価格(東京都区部、1kg当たり、名目値)は1965(昭和40)年時点では136円でした。これが85年には479円、95年には522円と上昇してきましたが、2010年には348円に下落しています。
一方、食パン1斤(約400g)の値段は、この間38円(65年)、150円(85年)、163円(95年)、175円(2010年)と一貫して上昇傾向にあります。
これを米の価格と比べると、1965年の時点では食パン1斤は米0.28kgに相当していたのが、2010年には0.5kgへと上昇しており、パンに対して米の相対価格が低下していることが分かります。
(図18)
他の物価についても、米に換算してみましょう。
コーヒー1杯の値段は、1965年時点では米0.53kg相当だったのが2010年には1.18kg。同じ時期にはがき1枚は0.04kgから0.14kgへ、タクシーの初乗り運賃は0.74kgから2.04kgへ、ワイシャツ(長袖)1着は8.53kgから9.53kgへと、いずれも上昇しています(ちなみにワイシャツは2000年頃には米13kg相当だったのが、最近は下がっています)。
これに対して、新聞の購読料(朝夕刊、1ヶ月)は、1965年の4.26kgから2010年には11.29kgへと、ほぼ一貫して上昇傾向で推移しているのです。
このように、お米の値段は、他の様々な物価と比較して相対的に下がってきていることが分かります。
主食であるお米の値段が安くなること自体は、消費者にとって歓迎すべきことでしょう。しかし、その値段が生産者の再生産可能な水準を下回っているようだと、食料の安定供給の面(すなわち、消費者の問題です。)から問題が大きいと言わざるを得ないのです。
[参考]
総務省ホームページ「小売物価統計調査」
(主要品目の東京都区部小売価格、昭和25年~平成22年)
http://www.stat.go.jp/data/kouri/doukou/3.htm
FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html
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