図26 食料への支出額の増減率と寄与率


◆ F.M.豆知識
 食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げていきます。
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 最近、エンゲル係数(消費支出に占める食料費支出の割合)が上昇している背景には食料価格の上昇があり、その中でも自給率が低い品目の上昇率が比較的大きいことを、前回、説明しました。

 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/25_CPI2.pdf

 今回は、家計における食料への消費支出額の面から、どのような費目に対する支出額が増加しているかをみます。

 エンゲル係数が上昇に転じた2005年における1世帯1ヶ月の支出額の総額(農林漁家世帯を除く2人以上の世帯)は、30万903円だったのが、2014年には29万1862円へと、3%減少しました。
 これに対して、食料に対する支出額は6万8910円から 7万82円へと1.7%上昇しています(その結果、エンゲル係数は22.9%から24.0%へと上昇しました)。

 これを品目別にみると、米への支出額は24.7%、魚介類は13.6%減少しているのに対して、肉類は14.3%、乳製品は35.6%、コーヒー・ココアは27.3%増加しています。
 食料全体の支出額の増加に対するその品目の寄与率をみると、肉類が73.9%と最も大きくなっています。

 これら支出額が増加している品目については、前回みたように、輸入が多く価格が上昇していることが支出額増加の一因と考えられますが、逆に魚介類は、価格が上昇しているにもかかわらず支出額は大きく減少しています。
 また、調理食品や一般外食に対する支出額も、それぞれ6.1%、2.7%増加しています。

 このように、近年におけるエンゲル係数の上昇の背景には、米や魚介類に対する支出額が減少する一方で肉類に対する支出額が増加するという「食生活の洋風化」があります。
 また、調理食品や外食への支出額が増加するなど、「食の外部化」の影響もみられます。
 つまり、エンゲル係数上昇の背景の一つは、私たち自身の食生活パターンの変化という状況があるのです。

[参考]
 総務省『家計調査(家計収支編)』(時系列データ、二人以上の世帯)
  http://www.stat.go.jp/data/kakei/longtime/index.htm

 FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html

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