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◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信− ◇◆◇
No.82; 2015.11/26(木)[和暦 神無月十五日]発行
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世界全体が不穏な空気に包まれています。
それでも季節はめぐり、今年も実りの秋が到来しました。各地では収
穫を喜ぶ新嘗祭等が行われています。
勤労感謝の日でもある11月23日(和暦
神無月十二日)は二十四節気の
小雪(しょうせつ)。やがて本格的な冬を迎えます。
時の流れを体感して頂くため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)
と十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は神無月十
五日の配信です。
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◆ F.M.豆知識
食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、
あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げ
ていきます。
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本欄では、前々回からある新聞の社説をきっかけとして、米の価格と
水田農業について取り上げています。
前々回は2015年産米の価格(相対取引価格)は前年産米に比べて高く
なっているものの、2013年産米以前の水準までは回復していないことを
紹介しました。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/38_aitai.pdf
また、前回は、この米価の水準を農家の米生産費と比較したところ、
規模拡大するほど生産費は低減しているものの、現在の米価水準ではほ
とんどの農家にとってコスト割れとなっている状況を説明しました。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/39_cost.pdf
それでもなお、稲作については、規模拡大等の構造改革が必要と考え
られます。
リンク先の図40は、主な農産物の品目別にみた主副業別の農家のシェ
アを表したものです。なお、縦の幅は品目別にみた農業産出額のシェア
を示しています。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/40_shugyou2.pdf
これによると、米作農家においては主業農家(農業所得が主(農業所
得が農家所得の50%以上)で、1年間に60日以上自営農業に従事してい
る65歳未満の世帯員がいる農家)のシェアは39%と、他の品目に比べて
低い水準に留まっています。特に、1年間に60日以上自営農業に従事し
ている65歳未満の世帯員がいない副業的農家が、米生産の36%を担って
いるのです。
これは、主業農家が6〜9割程度を占めている他の作目と比べると大き
な差があります。
この状況は、稲作では機械化による省力技術が確立しているといった
状況を反映しているものではありますが、米生産の多くの部分は、中心
となる担い手がいない兼業農家によって相当の部分が担われている現状
が伺えるのです。
[出典等]
農林水産省「2010年世界農林業センサス
第2巻
農林業経営体調査報告
書 総括編」」
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001034606&cycode=0
農林水産省「農業経営統計
経営形態別経営統計」
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001134827
農林水産省「生産農業所得統計」
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001129518
FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html
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◆ オーシャン・カレント −潮目を変える−
食や農の分野について、先進的かつユニークな活動に取り組んでお
られる方達、トピックス等を紹介しています。
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さる11月24日は、「和食」文化を次世代に向けて保護・継承していくこ
とを目的に定められた「和食の日」でした(日本記念日協会が認定)。
1124を「いい日本食の日」と読む(ちょっと厳しい?)語呂合わせです。
「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産として登録
されたのは、2013年12月のこと。
ここでいう「和食」とは、単なる日本食というメニューを指すのではな
く、自然を尊重するなど、日本人の精神を体現した食に関する「社会的慣
習」全体を表しています。
その特徴は、まず、四季折々の新鮮で多様な食材を用い、その持ち味を
尊重する工夫が施されていること。2つ目は栄養バランスに優れた健康的な
食生活を形成していること。3つ目は自然の美しさや季節の移ろいを表現す
る盛りつけを行うなどの美意識を根底に有していること。そして4つ目は、
食が正月行事等の年中行事と密接な関わりを持っていることです。
確かにこのような日本の伝統的な食文化は素晴らしいものです。
現在、アジア諸国や欧米で日本食が一種のブームとなっていることも、
喜ばしいことではあります。
しかしながら、肝心の現在の私たち自身の食生活の現状を振り返ってみ
ると、脂質の摂取過多など栄養バランスは崩れ、旬は消失し、食の外部化・
簡便化や低価格志向が過度に進行するなかで膨大な食品ロスを発生させて
いるなど、とても世界に対して胸を張れる状況とは言えません。
「和食の日」は、まずは私たちが自らの食生活を見直しすことにつなげ
ていくきっかけになることが重要ではないかと、個人的には考えています。
[参考]
「和食」のユネスコ無形文化遺産登録(平成25年度食料・農業・農村白書)
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h25/h25_h/trend/part1/chap0/c0_1_00.html
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◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベント
の開催情報等をお届します。
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▼ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報
○ ふくしまオーガニック旅2015-だいずな大豆。(1) (11/12)
http://food-mileage.jp/2015/11/12/
○ ふくしまオーガニック旅2015-だいずな大豆。(2) (11/13)
http://food-mileage.jp/2015/11/13/
○ 「食べて応援」のその先を考える収穫祭〜結イレブン vol.23 (11/16)
http://food-mileage.jp/2015/11/16/
○ 「民家フォーラム2015 東京」@ 東京・東久留米市柳窪集落 (11/17)
http://food-mileage.jp/2015/11/17/
○ CSA研究会–なないろ畑(神奈川・大和市) (11/21)
http://food-mileage.jp/2015/11/21/
○ 江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座 @ 東京・小金井 (11/23)
http://food-mileage.jp/2015/11/23/
▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には
必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。
○ US.Peace
ファーム 農業体験会「収穫祭」
日時:11月28日(土)10:00東武東上線・小川町駅集合
場所:埼玉・小川町
主催:US.Peace ファーム
(詳細、お問合せ等↓)
http://uspeace.jp/user_data/event.php#taikenkai
○ ふくしま有機交流カフェ
日時:11月28日(土)18:30〜21:30
場所:国分寺カフェスロー(国分寺駅南口から徒歩5分)
主催:NPO法人福島県有機農業ネットワーク、福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク
(詳細、お問合せ等↓)
http://event.cafeslow.com/?eid=1080829
○ 多摩ニュータウンタウンウオッチング「19住区を歩く」
日時:11月29日(日)13:00京王堀之内駅集合
場所:東京・八王子市由木地区(ユギムラ牧場、FIOほか)
主催:多摩ニュータウン学会理事会
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1107293555948128/
○ 奥沢ブッククラブ(第2回)
日時:11月30日(月)19:00〜21:00
場所:シェア奥沢(世田谷区奥沢2-32-11)
主催:岩下 紘己さん
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1675214969415607/
○ きき酒と新ソハ?の会
日時:12月4日(金)18:30〜21:00
場所:ふくしまオルガン堂下北沢(世田谷区代沢4-44-2)
主催:福島県有機農業ネットワーク
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1017561644952725/
○ 八王子の伝統野菜(江戸東京野菜)幻の「高倉ダイコン」圃場見学&食事会
日時:12月6日(日)15:30〜20:00
場所:生産者圃場&けいの家(八王子市内)
主催:多摩・八王子江戸東京野菜研究会
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/924179127689084/
○ 福島学 in 駒場第4弾「廃炉編」
日時:12月15日(火)19:00〜
場所:番來舎(目黒区駒場1-28-1)
主催:番來舎、ベテランママの会
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/920731667974679/
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* 今号のコツコツ小咄。
「プロポーズされて指輪を受け取っちゃったんだけど、やっぱりお断
りしようと思うの・・・」
「そう。餅つきと同じね」
「えっ、どういうこと?」
「返すタイミングが難しいもの」
注:「コツコツ小咄」は、拙FBページにて土日祝を除く毎日、絶賛(?)
投稿中です。
https://www.facebook.com/tetsuya.nakata.7
* 次号No.83は12月11日(金)[霜月朔日]の配信予定です。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて
頂いています。いつもありがとうございます。
* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、全ての文責は
中田個人にあります。
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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】
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◆ 発行者:中田哲也
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