【ブログ】東雲会研究会(千葉大・園芸学部)

迷走台風が関東に接近する中、2018年7月28日(土)は久しぶりに千葉・松戸の千葉大学園芸学部へ。
 昼頃は、雨も風もそれほど酷くはありません。

この日、100周年記念戸定ケ岡ホールで13時30分から開催されたのは、東雲会主催の研究会。

冒頭、千葉大・名誉教授の斎藤修先生から挨拶。
「東雲とは夜明け前のこと。大学はどうしても専門性があるので横のつながりが弱い。知を共有する場としての東雲会を10年ぶりに再開したい。今後、分科会等も含め、OB同士の交流を盛んにして若手にバトンタッチしていきたい」

この日の参加予定者は70名ほどだそうですが、台風のせいで参加できなくなった人もおられるようです。

続いて、戸定会(千葉大・園芸学部同窓会)の加藤一郎会長からも挨拶を頂きました。
「古希を迎えた身だが、研究費助成が削減される等の状況の中、園芸学部のためにと思い会長に就任した。今年の入学者の半数は女性、成績優秀者は全て女性だった。副会長には斎藤先生の奥様に就任して頂いた。地元の起業等とも連携しながら、松戸アカデミックリンク(図書館)の整備も進めていきたいので、協力をお願いしたい」

最初のプログラムは、斎藤先生から「6次産業・農商工連携とフードシステムの革新-地域再生の視点から」と題して報告。

食品産業と農業との連携の強化、食品企業等の直営農場の役割、地域におけるプラットフォーム形成とバリューチェーンによる新しい価値創造の重要性、JA直売所や道の駅の課題等について、豊富な事例を含めて講義して下さいました。

続いて、農林水産省の萩原英樹参事官から、「新しい政策課題と展開方向を考える」と題する報告。

日本と世界の食料のマーケットが変化する中での農林水産政策改革のグランドデザイン(成長産業化と所得向上)と、具体的な施策(農地中間管理機構、輸出促進、生産資材・流通構造改革)等について幅広い紹介がありました。

続いて(株)マルタの佐伯昌彦代表から、「農業生産者の経営戦略と経営成長」について報告。

「有機農業を農業の主流に」をスローガンにした生産者のネットワーク作り、身の丈にあった6次産業化(沖縄・冷凍カットパイン)や収穫後の生産サポートによる協業(北海道・かぼちゃ)、周年供給化(「皆で棚を作っていく」)等の事例を紹介して下さいました。

さらに、JA全農いばらきで営農経済事業改革を担当しておられる関良男さんから「茨城県JAにおける課題、自己改革の成果、今後の在り方」について。

スクラップ、ビルドそれぞれの課題があり、正組合員の多様化が進む中で、買取販売など販売力の強化、肥料・農薬の取扱量の拡大、記帳代行制度等で成果を上げておられる状況について紹介して下さいました。

最後に、全国農業改良普及職員協議会事務局の神保信幸さんから、第6回農業普及活動高度化全国研究大会(11月29日(木)~30日(金)、東京大学)の案内がありました。
 今回は協同普及事業70周年記念に当たり、全国から普及活動事例発表等が行われるとのこと。

本来であれば、この後に質疑応答と意見交換が予定されていたのですが、いよいよ台風が接近しているようで、研究会は1時間早く終了することに。
 この日も全国から多くの生産者の方も見えられていました。今後の展開が楽しみです。

報告の途中から、窓の外では雨と風が強くなってきました。
 この日は所用があり、懇親会は失礼して帰途につきましたが、JR松戸駅まで歩いただけでびしょ濡れになった次第。