【ブログ】第23回 森の読書会(@三鷹)

2018年8月19日(日)は好天。長く続いた猛暑もおさまり、快適な一日です。

午前中は東京・三鷹へ。
 JR吉祥寺駅から徒歩10分ほど、水と緑豊かな井の頭公園を抜けたところに、コミュニティスペース「森の食卓」があります(素晴らしい環境です)。

この日10時から「第23回 森の読書会」が開催されました(「森の読書会」ホームページはこちら)。

快適なスペース。10名の参加者が2つのテーブルに分かれて着席。
 飲み物やお菓子が並べられています(京都名物「かるやきせんべい」も)。

主催者の Eikoさんからの開会挨拶に続いて、10名(男女半々)の参加者から自己紹介。
 多摩地方あるいは都区内在住の方が多く、それぞれ「好きな本」を持参して参加されています。

「都内で本を扱う仕事をしているが、会社の中では本についてあまり話す機会はない」という男性。
 「1人で読んでいると深く読めないので参加した」という女性。
 他の読書会にも参加されている方、自ら読書会を始められる方もおられます。

共催者のKさんは、三鷹駅前で本を介して地域の人たちが集まる「地域図書館」(まちライブラリー@雀文庫みたか)を運営されている方。

Eikoさんからも自己紹介。
 「バックパッカーとしてインドやアフリカを回り、先月帰国したばかり。森の読書会は3ヶ月ぶりだが、今回もユルい雰囲気で、皆さんと改めて本の面白さを感じたい」

続いてテーブル毎に本の紹介と話し合い。持ち時間は1人10分です。
 今回は特にジャンルは定められていません。

出版関係の仕事をされている男性が紹介されたのは、溝井裕一『水族館の文化史』。
 西洋文化史が専門の著者によると、古代ギリシアから水族館はあり、植民地時代になると海を支配するイメージから各国に水族館ができたとのこと。帝国主義思想とも関わりがあるそうです。

猫の写真が趣味という男性からは、宇佐見まこと『患者の毒』。
 現代日本の闇を描いた犯罪小説で、癖のある登場人物が多く、伏線等も巧みだそうです。ネタバレにならないように気を配りながらの紹介でした。

この方からは、最後の方でもう1冊『首都圏住みたくない街』も紹介され、これについての会話も盛り上がりました。

5月に愛知県から転勤、武蔵野市に引っ越しして来られたという女性は、湊かなえ『物語の終わり』を薦めて下さいました。
 「夢を抱いたことのない人、夢を諦めたことのない人はいないと思う。心暖まる連作集」とのことです。

Kさんが紹介されたのは、成田美名子の漫画『エイリアン通り』。

高校時代に周りの友達と回し読みしていた本の一冊だそうです。回し読みすることで色々と会話もあったが、大人になってそのような機会は失われてしまったとのこと。
 そのような思いが背景にあって、借りに来た地域の人と対話できる「雀文庫」を始められたようです。

私からは、先日の本屋・Title(荻窪) でのトークショーの際に求めさせて頂いた松原隆一郎『頼介伝』を紹介させて頂きました。

カバーを外して不思議な進水式の写真をお見せしつつ、無名の起業家である祖父の人生を著者が丹念にたどり返すことによって、日本の近現代史が明らかにしていくという内容等について紹介(今回も本の良さをうまく紹介できず、もどかしい思いが残りました)。

それぞれの紹介本について、様々な質問や感想が自由に出されます。
 さすが本が好きな人ばかりで、会話も盛り上がります。

予定の終了時間近く、森の食卓オーナー・田中眞喜子さんからの挨拶で中締め。
 その後も時間のある人はしばらく立ち話。今回も読んでみたいと思う多くの本に出会うことができました。

田中さんはじめ3名の方と昼食の蕎麦(「田舎蕎麦」など三食蕎麦を頂きました)。

その後、1人で井の頭公園で時間を調整して東村山へ。
 15時からドキュメンタリ『穏やかな革命』上映会に参加する予定です(続く)。