映画『おだやかな革命』と渡辺監督トーク

2018年8月19日(日)は快晴。
 午前中は森の食卓(東京・三鷹)での読書会に参加した後、西武新宿線・東村山駅に隣接する市民ステーション・サンパルネへ。

東村山エナジー第2回定時総会の記念企画として、ドキュメンタリ映画『おだやかな革命』の学習会(上映会)が開催されました。 https:/エナジー東村山.jp.net/

予定の15時を回り、進行の方から東村山エナジーの活動報告(祭り等での体験コーナー、デイサービス介護施設でのソーラーシステム設置等)。

さらに、完成したばかりというリヤカー(?)のお披露目もありました。
 太陽光パネルで発電して電灯が付き、観覧車が回り、スマホ等に充電もできるそうです。今後、イベント等で活躍する予定とのこと。

続いて、渡辺東村山市長から「映画に描かれている地域再生・活性化の物語を観るのを楽しみにしていた」等の挨拶があり、いよいよ上映会がスタート。

この映画のキャッチフレーズは「エネルギー自治から始まる幸せな経済の物語」。
 自然エネルギーの活用等を通じて地域再生に取り組む人々の姿が、「革命」という言葉の強さに反して、むしろ淡々と描かれていきます。

原発事故を受けて太陽光の電力会社を立ち上げた福島・喜多方市の酒蔵の当主や飯舘村の畜産農家。
 小水力発電事業等取り組む岐阜・郡上市の山間部にある石徹白(いとしろ)地区。
 風車を建設した秋田・にかほ市の人々と首都圏の生協組合員との交流の様子。
 森林資源を活かして自立を図る岡山・西粟倉村の取組み、等々。

いずれも実話だけに迫力があります。登場する方々の表情も印象的です。
 前作『よみがえりのレシピ』でも印象的だった美しい四季の映像も、随所に挿入されています。

100分の上映後、5分の休憩を挟んで、渡辺智史(さとし)監督が登壇しマイクを取られました。
 1981年、山形・鶴岡市生まれという若い監督です(文責・中田)。

「今も鶴岡在住、今回の映画もカメラマンと2人で車で全国を回って撮影した。
 前作(『よみがえりのレシピ』)の後は発酵食品の映画を作ろうとしていたが、ひょんなことで飯田哲也さん(環境エネルギー政策研究所)と出会い、そのご縁で各地でコミュニティ電力会社を立ち上げられた方たちと交流する機会があった。
 それをきっかけに、エネルギー自給を通した実体ある地域づくりについての映画を作ろうと決意した」

「昨日は宮城・女川町を上映会で訪ねた。大震災の時は、津波により近代的な貯水池が破壊されたなか、昔からある沢の水で生き延びたとのこと。
 その経験を踏まえ、安心は自分達の手でということで、植林活動をされていると伺った」

「今日は、映画にも登場した石徹白洋品店の服を着てきた。以前は私も『誰々がつくった』ということを意識して服を着たことはなかったが、何か一つでも身近に使うものを変えると、暮らしを潤いのあるものに変える。
 各地に電力会社ができて電気も選べるようになった。これは画期的なこと」

「革命という言葉には激しい印象があるが、内面的な意識の変化により革命が始まっていることを伝えたいと思い、あえてこのようなタイトルにした。
 石徹白の平野彰秀さんと対談した時、ガンジーの “Be the change” という言葉を教えてもらった。社会を変えるのではなく、まず自分が変わる。そこから社会が変わっていくという意味とのこと」

「私たちの資産が目減りするなか、地域資源を活用するなど意義ある事業に投資・寄付すること等を通じて、顔の見える関係が実感できるような社会にしていきたい。リターンはお金ではないかも知れない。
 豊かさの捉え方は転換しつつある」

トーク終了後、伊藤市議会議長から閉会の挨拶。

私の住む東村山でも「穏やかな革命」が始まっているのかも知れませ ん。