小松理虔(こまつ・りけん)さんは1979年福島・いわき市小名浜生まれ。
東京の大学(文学部)を卒業後、地元テレビ局の社会部記者、中国・上海での日本語雑誌の編集や通訳等を経た後、東日本震災後の2012年からは地元のかまぼこメーカーの広報担当として、SNSも駆使し、福島の食に関する情報を全国に向けて積極的に発信されてきた方です。
現在はフリーランスの立場から、ローカル・アクティビスト(地域活動家)として、地域の食、福祉、観光、アートなど、様々な分野における企画や情報発信に取り組んでおられます。
『新復興論』(2018.9、ゲンロン叢書)(「ほんのさわり」欄参照)、『常磐線中心主義-ジョーバンセントリズム』(2015.3、共著、河出書房新社)等の著書もあります。
小松さんの多彩な活動の拠点となっているのが、小名浜中心部の商店街の一画にあるオルタナティブスペース「UDOK.」。
その名称には、晴耕(=本業)に対する雨読(=本業 以外のクリエイティブな活動)のための場という意味合いが込められています。
様々なアート作品等に埋もれた20坪ほどのスペースは、人が集まるミーティングやワークショップの会場として、時にはライブハウスや芝居小屋として活 用されるなど、様々なクリエイティブな活動の場となっています。
また、2013年冬から有志の方と始められた「いわき海洋調査隊・うみラボ」 は、民間の力で、定期的に福島第一原発沖で海底土や魚の放射線量を測るという活動です。
原発を眺めながら検体となる魚を釣り上げ、市内の水族館「アクアマリンふくしま」に持ち込んで分析したデータを復興に役立てるとともに、その場で試食も行われます (これが人気だそうです)。
多くの人に福島の海の現状を知ってもらうため、調査員は毎回公募されているとのこと。福島の魚に対して漠然とした不安を持っている人には、正確なデータ(科学)だけではなく、おいしさや魅力(情緒)を楽しみながら伝えていく必要があると小松さんは考えておられます。
小松さんは、いわき・小名浜という地にしっかりと足を着け、アートや観光など多彩な視点から、復興=地域づくりに取り組んでおられるのです。
[参考]
小松理虔さんツイッター
https://twitter.com/riken_komatsu
いわき海洋調べ隊「うみラボ」公式サイト
http://www.umilabo.jp/
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出典:メルマガ「F.M.Letter」 No.155
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