【ブログ】平成最後の「顔の見える」忘年会

2018(平成30)年も間もなく終わりです。
 すっかり流行り言葉になった「平成最後の」忘年会シーズン。12月26日(水)と28日(金)は、東京・神田の全国うまいもの交流サロン・なみへいへ。

26日(水)18時から開催されたのは「第213回 高橋博之 車座座談会をやりつつの大忘年会」。

日本全国、台湾にも広がる食べもの付き情報誌「食べる通信」代表、オンライン産直市場「ポケットマルシェ」社長の高橋博之氏を囲んで、車座になって語り合いつつ、食べる通信やポケマルの生産者から届いた食材を使った料理を楽しもうという手作り忘年会。
 なみへいでの開催は3回目(3年連続)です。

19時前に到着した時は、高橋さんの話は既に終了(残念!)。参加者の自己紹介も終わり、懇親が始まる頃でした。

料理を担当して下さったのは、食べる通信の読者やポケマルのヘビーユーザーの5人の男女の皆さま。頻繁に生産者のもとに通っておられる方も。

この会の特色(楽しみ)は、全ての食材の生産者の顔が見えるということ。
 各テーブルには食材と生産者の方を紹介するパネルが置かれ、途中、モニターも用いて、生産者と知り合いの方等から紹介がありました。

高橋さんの音頭で乾杯!

食材と料理の一部を紹介すると、五味農園(長野・岡谷市)のサラダ野菜、中村さん(長崎・南島原市)のトマト、すたに自然農園(島根・出雲市)の伊勢ヒカリのおむすび、相原さんのあんぽ柿、山本さん(秋田・八峰町)のしょっつるあたりめ。

細川さん(北海道・音更町)のポップコーンやブロッコリ、かたやま農園(和歌山・紀の川市)の古代米。

ファーム白石(福島・いわき市)の「長兵衛」(在来種の里芋)は、皮ごと頂けます。

大野村農園(福島・相馬市)の芋煮、豚肉の炒めもの。
 本年1月、東京・有楽町で、農園主の菊地将兵さんの熱い思いを伺ったことを思い出しました。

メインは、中瀬さん(北海道・当麻町)の豚挽き肉、ラッキー農園(高知・大豊町)の「限界突破ショウガ」など、様々な食材が一杯に詰まったしびれ鍋。
 裸足でスパイス(東京)の花椒を入れて頂きます。

他にも、かねとよ川島農園(静岡市)のイチゴ、鈴木さん(神奈川・湯河原町)のみかん等々。
 とても紹介し切れません!

大盛り上がりの会も、21時過ぎには「ゆっくりと」中締め。
 高橋さんからは「来年は食べる人とつくる人が男と女のように思いを寄せ合うような世界を広げるべく、猪突猛進していく所存です」との決意表明。

会の合間に回された色紙には、生産者の方へのメッセージ。「美味しかったです」といった感謝の気持ちを直接伝えられるのは、嬉しいことです。

翌々日の12月28日(金)も、再びなみへいへ(今年の年末も呑み過ぎ、食べ過ぎです)。

この日開催されたのは「長野県の新そばと、日本酒と、肴で大忘年会」。日本酒の会で何度もお世話になっている方に誘って頂きました。

長野でIT企業を経営されている方が、地域の後継者不足の状況等をみて始められた農業支援サービス。

その第一号が、塩尻市片岡の畑を借りて蕎麦を栽培し、打って、食べて、楽しく新しい農業のあり方を探ろうという
片丘蕎麦プロジェクト」です。

この日はプロジェクトの一環として、今年とれた新蕎麦と、長野の日本酒を楽しもうという会。
 蕎麦粉を使ったガレットなど、様々な料理も出して下さいました。

食前酒にはのらのらファーム(長野・飯綱町)のシードル。

そして、ビートルズの音楽を聞かせて醸されたという人気の Beau Michelle(伴野酒造、佐久市)で乾杯。

その後は、カウンターに並べられた長野の日本酒を、セルフで自由に頂くというシステム。
 素晴らしいラインナップです。

例えば、水尾(田中屋酒造店、飯山市)、十九 M(尾澤酒造場、信州新町)、つきよしの特別純米(同)、大信州 超辛口(大信州酒造、松本市)、緑香村 無濾過(美寿々酒造、塩尻市)、十六代九郎右衛門 純米吟醸(湯川酒造店、木曽村)、舞姫静(舞姫酒造、諏訪市)、斬九郎しぼりたて(宮島商店、伊那市)、こんな夜に・山女 純米吟醸 生(仙醸、伊那市)、今錦 しぼりたて生原酒(米澤酒造、中川村)等。
 とても紹介し切れません!

会場はたちまち、立ち飲み屋の雰囲気に。
 あちらこちらで話の輪ができます。他にも農業に新規参入された企業の方もおられ、驚きました。
 美味しいお酒と料理、日本酒好きの方達との興味深い話で、この日も大盛り上がりでした。

「平成最後」の2回の忘年会は、生産者の「顔の見える」会となりました。

現代の食や農は、多くの問題を抱えています。
 例えば食に対する不安感の高まり、食料自給率の低下、大量の食品ロスの発生、担い手の不足と荒廃農地の増加、それに輸送に伴う環境負荷の増大。

これら問題の多くは、食と農の間の距離が離れてしまったことに起因していると個人的には考えています。
 であれば、離れてしまった距離を縮小すること、言い換えれば生産者と消費者との間の「顔の見える関係」を回復していくことが、問題解決の重要なきっかけになると思われます。

2018年の最後に「顔の見える」2回のイベントに参加できたことは、いい締めくくりになりました。
 しかも会場は2回ともなみへい。「東京から地域おこし」を標榜するこの場所も、「顔の見える関係」づくりのための重要な拠点なっています。

関係者の皆さま、有難うございました。明年以降も引き続きよろしくお願いします。

職場至近にある日比谷公園も冬景色。

秋には地面を覆い尽くすように咲いていた石蕗(ツワブキ)の黄色い花はすでに無く、代わりにたくさんの白い綿毛。次世代に向けた種子がくるまれています。
 木々もほとんど葉を落としていますが、よくみると枝には新しい芽。まだ堅そうですが、着実に春に向けての準備が進んでいます。

2018年も本ブログを読んで下さり、有難うございました。
 間もなく2019年がスタート。皆様の健康、ご多幸をお祈(イノ)りしています。