【ブログ・告知】イベント(2/17)に寄せる思い

次のステージに進むために、全国うまいもの交流サロン・なみへい(東京・神田)が飲食店としての夜の営業を終了したのは昨年3月末のこと(写真は2018年10月23日)。

飲食やイベントの会場として何度も利用させて頂き、また、かねて「東京から地域おこし」にかける川野真理子さん(オーナー)とご子息・元基さん(店長)の思いに強く惹かれていたこともあり、募集されていた応援団に早速参加させて頂きました。

その会員の特典の一つが、なみへいをイベントの会場として1日使えるということ。
 具体的な構想はなく、何をやろうかなという気持ちは常に頭から離れませんでした。1人で主催するのも大変だな、と思いつつ。

巻寿司大使の八幡名子(やはた めいこ)さんと知り合ったのは、数年前のこと。
 「食べる通信」や「ポケットマルシェ」を通じて全国の農家や漁師さんと出会い、あるいは地元の伝統野菜等の生産者の方たちと交流する中で「食」の大切さや楽しさに改めて気付いたそうです。

(写真は2018年8月25日の飾り巻寿司教室の様子(於なみへい))

名子さんが素晴らしいのは、それを単なる個人的な「気付き」で終わらせず、多くの人たちに食の大切さ、楽しさを広めていくための様々な具体的な実践をされていることです。
 行動力に加えて、映像作家(本業)らしいセンスの良さもお持ちです。

名子さんが主催、あるいはスタッフとして参加されたイベントに何度か参加するうち、名子さんと何か共催できないかなと思いが強くなってきました。

その名子さんが、東京・新宿ゴールデン街にあるバーの手伝いを始められた(ついに夜の仕事も?)と聞き、訪ねたのは昨年2月のこと
 正直なところ、それまで足を踏み入れたことのなかったゴールデン街への興味が、主な動機でした。

その時、カウンターその中におられたのが逢坂泰精(おうさか やすきよ)さんでした。名子さんとは、アート関係で以前から知合いだったそうです。

伺うと、介護士等として働きながらシンガー・ソングライターとして音楽活動をされているとのこと。
 その時に軽い気持ちでリクエストすると、かけて下さったCDから流れてきたのが「くも」という曲。その歌詞とメロディーに、胸をわし掴みにされるような感動を覚えたのです。

歌詞の基となったのは、寮美千子さんの詩集『空が青いから白をえらんだのです』
 奈良少年刑務所で寮さんが講師を務められた「社会性涵養プログラム」のなかから生まれてきた受刑者達の自作の詩集です。

「今年はおかあさんの七回忌です。おかあさんは病院で最期に『つらいことがあったら、空をみて。そこにわたしがいるから』と言ってくれた。おとうさんはいつも体の弱いおかあさんを殴っていたけど、ぼく、小さかったから何もできなかった」

罪を犯してしまった少年・少女たちの、心の奥底にある葛藤、悔恨、優しさ等。それに逢坂さんが曲をつけて歌い上げられているのです。

迷わずその場で求めさせて頂いたCDを何度も聞き返すうちに、ぜひ多くの方に聴いてもらいたいという思いが次第に募ってきました(「くも」は逢坂さんの公式サイトで聴くことができます)。

このような経緯から、来たる2月17日(日)14時から、神田なみへいでコラボイベント「空が青いからお寿司を巻くんです」を開催することとなりました。

巻寿司教室と音楽ライブのコラボという、あたかも成り行き任せのようなイベントですが、一応テーマはあって、それは「分断の克服の試み」。

食の分野では、生産者と消費者との間の距離が拡大したことによって様々な深刻な問題が生じています(供給力の低下と自給率の低下、職に対する不安の高まり、膨大な食品ロスの発生等)
 前半は、顔の見える生産者の方の食材をみんなでお寿司に巻き込むことで、その食材は、どこで誰が、どのように作っているのかをみんなで想像しようというもの。

後半は、飲食を楽しみつつ、逢坂さんのライブを通じて、一般社会と物理的に分断されている塀の中の少年少女達の気持ちに思いを馳せようという内容です。

会場としてお借りする神田・なみへいは、都会と地方の間の分断を克服しようと取り組んでおられます。

現在(14日朝)のところ、まだ席には余裕があります。
 関心を持ち、趣旨に賛同して下さる多くの方の参加をお待ちしています。

参加申し込みは、https://bit.ly/2Bf1Ia6
 またはFBイベントページからお願いします。