気がつくと、いよいよ今年も押し詰まってきました。
冬の東京は晴れる日が多く、日比谷公園の鶴の噴水も、冬の陽を浴びて輝いています。
そのような中、12月23日の天皇誕生日の祝日には、アカデミー湯島において、2011年の市民科学研究室(上田昌文代表)のクリスマスパーティーが開催されました。
市民研とは「市民にとってよりよい科学技術とは」を考え、提言するというユニークな活動をしているNPOです。
毎年恒例のクリスマスパーティーには、昨年に引き続いての2回目の参加でしたが、約50名の参加で賑わっています。
会場には見事な野菜が。これは、この日の午前中に市民研の会員数名が茨城県つくば市にある農業生産法人「オーガニックファームつくばの風」に行き、自ら収穫してきたもの。料理にも使われています。
その農業生産法人の方も見えられていました。放射能を自ら測定しHP等で公表されているそうですが、卸業者との取引は停滞気味とのこと。逆に安心を求める個人の消費者との契約は増えているそうです。
その料理は、ますますパワーアップしています。4名の「シェフ」の方の指導を受け、20名ほどで準備して下さったものです。私は今年も食べるだけの参加。
パーティーは、決して忘れないように、という自戒を込めて、被災者の方々への黙祷からスタート。
続いて、歓談しながら参加者の皆さんから順番に自己紹介。
この日は、自分が普段愛用していて人にも勧めたいグッズ(文房具など)の写真を投影しながらという趣向。短い時間に皆さんの人となりが伺えます。
自己紹介と活動報告を聞いていると、このNPOにいかに多彩な方々が集まっておられるかが分かります。
例えば、世田谷区の主婦の方は、子育てをする中で放射能に不安を感じ、9月に上田先生を招いて開催したワークショプ「親子で知ろう!いっしょに考えよう!放射能のこと」の報告。私も見学させて頂いたものです。
今回の原発事故により、否応もなく、市民一人ひとりが科学技術に向き合うことが必要であることを知らされました。原子力のような科学技術を、功罪、リスクを含め、市民に分かりやすく市民の言葉で伝えていける専門家が、日本には不足しています。NPOを活動の拠点とされている上田先生は、その貴重なお一人です。
他にも、コミュニティFM局をめぐりながら多くの被災地を訪れ、物資とメッセージを送り届けてこられたイベント関係の民間会社の方。漁業者や中古民家をめぐるフリーライターの方など。
市民研は、こういった多彩な方々を「繋ぐ」場にもなっています。組織人ではなく、個人として、このようなプラットフォームに参加し、例えば自ら不安と思うことは自ら知識を求めていくことが、これからの市民社会には不可欠でしょう。そして専門家と呼ばれる人たちは、そのような市民からのニーズにこたえていく義務があります。
パーティーは後片付けを含めて21時半に終了。
帰途、乗換のため大手町から東京駅まで歩くと、多くの方がイルミネーションに集まっています。
冬に咲く山形の「啓翁桜」、小学生たちの明り絵など震災からの復興がテーマだそうです。
電力については、LEDを使用し太陽光発電で賄われているとのこと。22時きっかりに消灯されました。
大変だった2011年も暮れようとしています。
“「市民研」クリスマスパーティー” への1件の返信
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中田哲也様
わざわざアメブロにメッセージをありがとうございました。
こちらこそ、市民研のクリスマス会ではお話できて嬉しかったです。
ブログにご紹介いただきありがとうございます。
リンクは全然かまいません、いつでもどうぞ。
写真も見ても自分だと気がつかなかったくらいです(笑)
どうぞお気になさらずに。
また機会がありましたら、いろいろお話を聞かせてください。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
阿部 佐紀子