第79回ダービー観戦記

 28日(月)午後は突然のゲリラ豪雨、今日29日(火)は大丈夫かと思ったら、夜に入ってから雷雨になりました。
 どうも最近、気候が荒々しくなっているようです。
 さて、5月27日(日)は競馬の祭典・東京優駿(日本ダービー)の日でした。
 一競馬ファンとして待ちに待っていたはずのこの日、実は今年は、いささか複雑な、もやもやした思いで迎えたのです。
 もやもやの理由の一つは、先日読んだ「白熱教室」で有名なマイケル・サンデル教授の本です。
 アメリカの州営宝くじを取り上げ、
 「ギャンブルへの払拭しきれない道徳的反感に、素知らぬ顔で財源を依存していることが問題。カネの亡者となった州政府は、市民-とりわけ最も弱い立場の市民-に、民主的な生活を支える労働倫理、自己犠牲、道徳的責任とは相容れないメッセージを浴びせ続けている」と厳しく批難しています。
 サンデル先生、ギャンブルを「市民的堕落」とまで言い切っているのです。(『公共哲学』ちくま学芸文庫、2011.6)
 もう一つの理由は、前日の26日(土)に開催された「社会政策学会」にありました。
 登壇された石丸小四郎さん(双葉地方原発反対同盟)は、報告の中で、今春、福島競馬が再開されたことに触れ、「競馬場の芝を張り替える財源があるなら、学校等の除染に回すべきではなかったか」、と発言されたのです。
 アメリカの先生の本はともかく、この言葉はずっしりと腹に残りました。
 そして迎えたダービー当日。
 興味のない人にとっては、たかがギャンブル、あるいは「堕落」とさえ思われるかも知れませんが、このわずか2分半弱のレースのために、関係者はそれこそ心血を注いできたのです。
 いくら血統がよくても、病気や故障に見舞われるとそれで終わり。無事にレースに出られても、生き物たちの競争には常に展開の綾(有利や不利)があり、実力があるからといって順調に勝ち上がっていける保証はありません。調教中やレース中に骨折し、予後不良(安楽死)となるケースさえ珍しくはないのです。
 競馬とは、何とも不条理なものです。
 そのような中、7000頭を超える同世代の馬の中から頂点のレースにゲートインできたのが、この日の選ばれた18頭です。
 そしてゲートが開きました。
 予想されたようなスローペースにはならず、斬れ味勝負の人気馬達には苦しい展開に。
 最後の直線、離れた3番手から追い出したのが岩田騎乗のディープブリランテ号。ゴール手前で粘る先行馬を交わし、外から急追してきた馬を鼻差で抑え切ったところが決勝線(ゴール)でした。
 コースを戻ってくる途中、岩田騎手は馬上で嗚咽を抑え切れず、さらに深々とスタンドに向かって深々と頭を下げました。
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 岩田康誠(やすなり)騎手は地方競馬(兵庫)出身の苦労人、中央移籍後もジャパンカップなど多くのG1タイトルを手にしているベテランにとっても、ダービーの勝利は格別なものだったのでしょう。
 しかも、3週間前の同じ東京競馬場でのG1レースで後続を落馬させて失格・騎乗停止、その制裁が明けた週での勝利でもありました。
(落馬した療養中の後藤浩輝騎手の早期の復帰をお祈りしています。)
 岩田騎手の姿をみて、ダービーは特別であり、やはり競馬はすごいと思った次第です。
 この瞬間、もやもやした気分は忘れていました。
 風は強かったですが、穏やかな週末の一日でした。

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One Reply to “第79回ダービー観戦記”

  1. まとめtyaiました【第79回ダービー観戦記】

     28日(月)午後は突然のゲリラ豪雨、今日29日(火)は大丈夫かと思ったら、夜に入ってから雷雨になりました。 どうも最近、気候が荒々しくなっているようです。 さて、5月27日(

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