6月23日(土)は沖縄の慰霊の日。復帰40年目とのことです。
梅雨の晴れ間のこの日、東京・小金井市では江戸東京野菜コンシェルジュ育成協議会(会長は大竹道茂氏)主催の講座が開催されました。
江戸東京野菜の普及促進のための人材育成を目的として5月12日に開講したこの講座も、全7回の講座も今回が6回目です。
錚々たる講師陣の端に私も加えて頂きました。
「フード・マイレージと地産地消」と題して、日本の食料自給率や食品ロスの問題、大量の輸入食料の長距離が地球環境に与えている影響、地産地消の効果等について説明させて頂きました。
続いて、東京の食材にこだわったもんじゃ焼き店を経営されている「押上よしかつ」の佐藤勝彦さんから、説明を頂きました。佐藤さんは、地場産の食材を求めて都内を(離島を含めて)自ら走り回っておられます。
食材を東京産に限定すると、どうしても安定的な供給面で問題になります。
そのため、例えばメニューを「レタス、トマトのサラダ」ではなく「旬の江戸東京野菜のサラダ」に変更するといった発想の転換が必要とのこと。無理に食材を揃えるよりもお客様に喜ばれるそうですが、これが料理人にはなかなかできないことだそうです。
いくら生産者が頑張って作りにくい伝統野菜に挑戦しようとしても、消費者に届かなければ(販路が無ければ)続けることはできません。その意味で、佐藤店主のような熱い気持ちを持った事業者の方の存在は大切です。
ちなみにお店に行くと、佐藤さんは料理の食材や生産者のことについて逐一説明して下さいます。それを聞きながら頂く料理の味わいは格別です。最近はリピーターも増えて、なかなか予約が取りにくくなっていることが難点ではあります。
休憩時間には、きゅうり(伝統的な半白きゅうりと一般の品種)の試食を楽しませて頂きました。
後半は、数人ずつのグループに分かれてのグループワークです。
「今夜の晩ご飯」のメニューを、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果実(食事バランスガイドの区分です。)について、それぞれカードを使って選びます。裏返すと食材の使用量、産地と輸送距離、カロリー等が書かれており、これを別の大きな紙に転記して、フード・マイレージと二酸化炭素排出量、自給率等を計算します。
そして、計算して気づいた点、今後の望ましいと農のあり方について話し合った内容について、グループごとに発表して頂きました。
短い時間でしたが、例えば鯖は運ぶだけではなく獲りに行くときにもエネルギーが必要なのではないか、買い物の際はどうしても値段に目が行くけれども今後は産地にもこれまで以上にこだわりたい、等の内容のある発言が相次ぎました。
伝統野菜は規格化が難しい等の理由で、経済が発展し流通が広域・効率化するなかで次第に廃れてきましたが、現在、その価値が見直されつつあります。このような身近な食の分野での取組は、将来の循環型社会の構築に向けた先駆けになり得るものと、確信と期待をしているところです。世界の潮流も、グローバリゼーションからローカリゼーションに変わりつつあります。
そのような話をさせて頂いたのですが、どうも思い込みばかり強く、果たしてどれだけ受講者の皆さんに伝わったか、心許ない面はあります。
終了後、駅近くにある「六地蔵」に案内して頂きました。傍らには深井戸が掘られていて、地元の方が水を汲みに来られていました。料理に使うのにも柔らかくておいしいとのこと。
蛇口の上には、放射能を含む水質検査証が張られていました。
ちなみに翌24日(日)には、武蔵小金井駅前のイトーヨーカドーでは、地場産の野菜を販売する特設コーナーが設けられていました。
流通業者との連携も重要です。
東京都のカロリーベースの食料自給率はわずか1%。都道府県の中で最も低い数値です。
その東京においてさえ、地場産農産物や伝統野菜を意識し、大事にしようという機運が盛り上がっているのです。東京にできるのであれば、日本全国、どこでもできないところはありません。
潮目が変わりつつあるような予感に、ざわわ、ざわわと胸騒ぎを感じています。
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“江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座 第6回” への1件の返信
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まとめtyaiました【江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座 第6回】
6月23日(土)は沖縄の慰霊の日。復帰40年目とのことです。 梅雨の晴れ間のこの日、東京・小金井市では江戸東京野菜コンシェルジュ育成協議会(会長は大竹道茂氏)主催の講座が開