お金とエネルギーと食の地域循環

金曜夜の「あゝ声なき友」を皮切りに、珍しく映画三昧の週末になりました。
18日(土)は、13時から千葉県市川市の行徳公民館で開催された「エンデの遺言」上映会と地域通貨ワークショップに参加してきました。
 「トランジション市川 in Keiyo」のオープニングイベントの一つです。
 トランジション・タウン(TT)とは、地域の資源を最大限に活用しながら脱石油型社会へ移行していくための草の根運動で、世界では既に1800、日本でもこの3年間で30を超える地域で実践が広がっているそうです。
 ちなみにTTは「楽しく、つながる」の略称でもあるとのこと。
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 上映された「エンデの遺言~根源からお金を問うこと」は、1999にNHKのBSで放映されたドキュメンタリーで、現在の金融システムの問題点と世界各地の地域通貨の取組は、大きな反響を呼びました。
 映画の最後にはエンデの言葉「お金は変えられます。人間が作ったのですから」。
 後半は、加藤久人氏(リプトンさん)のリードにより、地域通貨のワークショップ、ロールプレイング・シミュレーション「地域をつくるお金を体験しよう:FOODOゲーム」。
 参加者は、あるコミュニティの住人-例えば農家、酒屋、弁等屋、機械工、主婦(夫)、銀行、部外者の商店など-の役割を演じます。
 ゲームは2つのステージからなり、まず1部では、使える通貨は「円」だけで、商取引は必ず商店(部外者)を経由しなければなりません。
 私は何となくヒマそうかと思って商店(部外者)を担当することにしたのですが、忙しい、忙しい。お客様がひっきりなし、どんどん「円」が溜まります。各自5アイテムの取引が終了した時点でゲーム終了、それぞれ手元のお金を集計したシートをリプトンさんに提出。
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 2部では地域通貨「FOODO」(埼玉県小川町で実際に使われている地域通貨がモデル)が登場します。そして、FOODO を使って(円と併用するかたちで)住民間の直接取引が行えるようになります。
 今度は商店(部外者)には誰も来てくれません。米も麦も、肥料も、地域通貨を使って地元で賄えるようになったからです。
 そして全体の終了後、リプトンさんから集計結果が報告されました。
 ゲーム開始前、地域の住人達の手許には合計で9万円の現金(円)がありました。これが1部終了後の残高はマイナス12万円。つまり、計21万円が地域から外部に流出してしまっていたのです。一方、第2部では何と円だけで25万円のプラス。それだけの現金が地域内で回り、残ったということです。あまりの結果の違いに、参加者一同、驚きを感じました。
 地域通貨の本質や役割の一端を理解するのに有効なこのゲーム、これからも色々な地域で開催されていくようです。
 終了後、リプトンさんを囲んで駅近くのインド料理店で懇親会。
 「上総掘り」(古くから上総国で行われていた人力のみで井戸を掘り抜く方法で、開発途上国への技術指導も行われています。)で実際に井戸を掘った話などで盛り上がりました。
 企画された「行徳にいたマグマ大使」さん、お世話になりました?。
 翌19日(日)も好天、残暑。この日は午前中から高円寺へ。
 映画の連続観賞しめくくりは「第4の革命-エネルギー・デモクラシー」。
 2010年、ドイツで13万人を動員したドキュメンタリーで、脱原発にも影響を与えたとして有名な映画を、ようやく観ることができました。「再生可能エネルギーへとただちに転換せよ」ちの力強いメッセージ。ちなみに第4とは、農業革命、産業革命、IT革命に続くという意味だそうです。
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 映画では、分娩さえ懐中電灯の明かりの下で行われていたアフリカ・マリの村に太陽光パネルが取り付けられ、初めて電灯が灯る場面も出てきます。バングラデシュのグラミン銀行も紹介されます。先進国サイドだけの問題ではなく、巨大技術やインフラに依存しない再生可能エネルギーの可能性が感じられ、昨夜の「上総掘り」の話が思い出されました。
 映画の終了後はワークショップ。
 ソーラーパネル、グリーンカーテン、まちぐるみの節電所計画など、7つのテーマでグループに分かれて意見交換を行いました。同じグループには、わざわざ横須賀から来られたという若い女性も。
 12時30分頃に終了、吉祥寺に向かいました。
 この日、南町コミュニティーセンターで、長崎・佐世保に本拠を置くNPO「大地といのちの会」理事長の吉田俊道さんの講演会「元気野菜づくり・元気人間づくり一日講座」が開催されていたのです。
 プログラムは吉田ご自身の企画によるそうで、午前中は「生ごみから元気野菜をつくるコツ」、12時から持ち寄り食事交流会、そして13時から「食改善17項目」等についての講演です。
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 いつもパワフルな吉田さんの講演を聴いていると、世の中は確実に変わっていくのではという元気と希望が湧いてきます。
 主催者の方によると、吉祥寺では1年程度の間に8回も吉田さんをお呼びして講演会や体験学習を実施されてきたそうですが、吉田さんは、これからは自分たちでも考え実行することを求めておられました。
 農作業もこなしつつ全国を飛び回る吉田さんのバイタリティには、いつも感服です。ところがこの日、いつも持ち歩いておられるキャリーバッグが壊れてしまい、新品に買い換える羽目になってしまいました。
 残暑厳しい折、吉田さんのご健康をお祈りします。
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