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◇◆◇ F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信− ◇◆◇
No.8 ; 2012.12/19(旧暦 霜月七日)発行
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押し詰まってきましたが、新政権の発足や予算の組み替え等で慌ただ
しい年末年始となりそうです。
本メルマガでは、フード・マイレージや伝統野菜等を手掛かりに、私
たちの食と農の未来についてともに考えていきたいと思います。
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◆ F.M.豆知識
2 食をめぐる世界と日本の動き (1)世界の潮流
フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎
回少しずつ取り上げていきます。
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今回からはフード・マイレージを離れて、少し大きな話になりますが、
食をめぐる世界と日本の近年の動きについて考えてみたいと思います。
近年、世界の各地において、食をめぐって様々な新しい運動が拡がっ
ています。
例えば、フードマイルズ運動(イギリスを中心にした輸送に伴う環境
負荷を削減していこうという市民運動)、スローフード運動(地域の伝
統的な料理や食文化を伝えていこうというイタリア発祥の運動)、CSA
(アメリカの産消提携による地域支援農業)、ロハス(健康や環境を重
視するライフスタイル)、ロカボア(地元食愛好家)、身土不二(元は
仏教用語)等があります。
(それぞれの詳細は、機会を見て追って紹介していきます。)
これらの呼び方や内容は様々ですが、共通していることは「持続可能
性」(サステナビリティ)を重視していることです。
大量生産、大量流通、大量消費、大量廃棄を通じて右肩上がりで発展
してきた人類の文明は、現在、化石エネルギーや地球環境問題等の制約
に直面しています。原発事故も象徴的です。
食の分野も例外ではありません。
むしろ、食は一人ひとりが自ら主体的に選択できる余地が大きく、か
つ、地域の資源や風土と密接に結びついていることから、他の分野以上
に持続可能性を追求し実現できる可能性が大きいと言えます。
このため、先に述べたような様々な活動が、世界では、あたかも潮流
のように盛んとなっているのです。
ところが、日本ではこのような動きは、必ずしも社会を変えていくほ
どの大きな流れとはなっていません。
なぜでしょうか。その理由、あるいは日本で見られる兆し等について
も、追って紹介していきたいと思います。
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◆ オーシャン・カレント −潮目を変える−
食や農の閉塞感を打ち破るためのユニークな活動や、それに取り組ん
でおられる方達を紹介するコーナーです。
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東京・池袋の繁華街の中心部からやや外れた場所に、オーガニック・
バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」があります。
月の満ち欠けの看板が目印の小さなバーですが、知る人ぞ知る有名な
お店です。
オーナーは高坂勝(こうさか・まさる)さん。
1970年横浜生まれ。勤務していた大手デパートを30歳で退社後、世界
を旅しつつ独学で料理を学び、2004年に「たまTSUKI」をオープンされ
ました。
2009年からは千葉県匝瑳(そうさ)市で米と大豆の自給を開始。その
経験を踏まえてNPO「SOSA project」を設立し、都市農山村交流と都市
住民の「自給」の手助けをしています。
高坂さんの世直しのキーワードは「ダウンシフト」です。
(2010年には『減速して生きる ダウンシフターズ』(幻冬舎)を出版
されています。)
「ダウンシフターズ」(減速生活者)とは、発展「過剰」国・日本の
大量消費社会から自ら降り、世の中を変えていく人のこと。
高坂さんによると、現在は昔のように一握りの偉人が世の中を変えて
いく時代ではなく、一人ひとりが主人公となって、力を合わせて世の中
を創り直す時代であるとのこと。
そして、小さな生業(なりわい)の循環と分かち合いが進んでいけば、
国民総自給型社会、国民皆農的社会が実現する、と強調されます。
執筆、講演、ライブ等の活動を積極的にこなし、最近立ち上げられた
政党の共同代表も務められている高坂さんを慕って、今夜も多くの人が
「たまTSUKI」に集います。
(関連サイト)
「たまにはTSUKIでも眺めましょ」→http://ameblo.jp/smile-moonset/
「SOSA Project」→http://sosaproject.org/
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◆ 情報ひろば
食や農に関わるセミナーや勉強会の情報、拙ウェブサイトやブログ
の更新情報、読者の方からの投稿(告知等)をお知らせします。
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▼ ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」更新情報
・「野の文化学習会 in 見沼」(12月9日、生活文化・地域協同研究会主
催)における説明資料を掲載しました。
▼ ブログ「伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報
・12月10日付け「有機農業の未来」
12月8日(土)午前中に東京農工大学(府中)で開催された日本有機
農業学会の大会の第一セッション。有機農業運動の原点(自給、自然と
の共生等)に戻ることの重要性等について議論されました。
http://food-mileage.jp/2012/12/10/
・12月13日付け「「江戸コン」第2期修了式」
12月8日(土)午後に東京・小金井市で開催された「江戸東京野菜コ
ンシェルジュ育成講座(第2期)」の最終講座は井上誠一さんの畑の見
学。続いて修了式。江戸東京野菜のネットワークがさらに拡がります。
http://food-mileage.jp/2012/12/13/
・12月14日付け「野の文化学習会 in 見沼田んぼ」
今年1年、さいたま市の見沼田んぼで開催されてきた「協同研」主催
の学習会は、12月9日(日)が最終回。もちつき、凧揚げ等を親子で楽
しみ、学びました。
http://food-mileage.jp/2012/12/14/
・12月15日付け「現在の生活に満足?」
内閣府世論調査によると日本人の7割弱が「現在の生活に満足」。
特に20歳代は75%が「満足」。そして満足の度合いと前回衆院選の投
票率とは見事な逆相関。
(ちなみにその後、今回の投票率は史上最低だったことが明らかに。)
http://food-mileage.jp/2012/12/15/
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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】
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◆ 発行者:中田哲也(フード・マイレージ資料室 管理者)