今年も残すところ10日。
総選挙は残念な結果に終わりました。
どの政党が、ということはともかく、投票率が史上最低だったことです。
世の中は、新内閣の発足、予算編成・組替え作業など慌ただしい年末年始となりそうです。
選挙の翌日、久しぶりに池袋のオーガニックバー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」を訪れました。
広くない店内は満員です。
農業や森林に関心のある人ばかりで、思いがけない知人との出会いをする方も。
料理には、若きオーナー・高坂勝(こうさか・まさる)さんが自ら栽培された野菜や米がふんだんに使われています。優しい味です。
高坂さんの弾き語りを、初めて聞かせて頂きました。
この歌を聞いて、何人もの人が会社をやめて「ダウンシフターズ:減速生活者」になったとか。
高坂さん自身、大手デパートを退職してバーを開店。千葉県匝瑳市で自ら米と大豆、野菜の自給を始め、都市生活者等の「農」と自給をサポートするNPOも立ち上げられ、循環型社会を目指して取り組んでおられます。
そして、最近できた政党の共同代表にも。
高坂さんの人柄と生き方を慕って、あるいは憧れて、毎夜(といっても週休3日だそうですが)、多くの人がこの店に集います。
21日の金曜日、ちょっと気になって、今年最後(?)の忘年会に行くのに少々遠回りして、官邸前を通ってみました。
すると、寒くて、しかも官邸の主が間もなく変わることも分かっているのに、諦めていない、決して絶望なんかしていない多くの人達の姿が、そこには変わらずにありました。
さて、そんなある日、「三富落ち葉野菜研究グループ」から段ボール箱が届きました。
中には里芋、サツマイモ、人参、ゴボウ等がぎっしりと詰められています。
「三富(さんとめ)」とは、埼玉県所沢市、三芳町等にまたがる畑作地帯。元禄時代の新田開拓で生まれました(新田といっても水田ではなく畑地です)。
屋敷、畑、雑木林からなる短冊状の細長い区画は、埼玉県の文化財にも指定されています。雑木林は防風のほか、薪や炭、落ち葉による有機質肥料の生産等の面で、この地域独特の循環型農業を支え続けてきました。
化学肥料や石油・ガス等の普及等により、管理が困難となった雑木林が増えてくる中、地域の中核的な農家や後継者の方達がグループを作り、産直、農業体験、落ち葉掃きボランティアの受け入れ等に取り組んでいます。
「落ち葉掃き」とは、雑木林の中の落ち葉を掃いて集め、堆肥づくりの準備をするもの。落ち葉を詰め込んだ(踏み固めた)大きくて重いカゴを運ぶのはなかなかの重労働ですが、冬の陽射しの中、明るい林の中の作業は心地よいものです。
落ち葉掃きボランティア、年明けは1月13・27日、2月10日の各日曜日に予定しているとのこと。
(写真は「三富落ち葉野菜研究グループ」ウェブサイトより)
目指すべき未来は、持続可能で地域で循環する社会だと思われます。
その理想的な姿の一端を、都心からもほど遠くない地域で、現在も見ることができます。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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