1月4日(金)は御用始めでした。
冬山遭難のニュースが相次いでいますが、東京地方は風は冷たいものの快晴です。久々の通勤電車の車窓からは、富士山がくっきりと望めました。
「青空や 富士は日本の 立烏帽子」。
この正月、ラジオで聞いた先代・三遊亭金馬師匠の噺のマクラです。
翌5日の土曜日は、曇りがちで気温も上がらない一日。千葉の市川に向かいました。
こちら方面にはあまり馴染みが無く、昨年8月18日(土)に行徳公民館で開催された『エンデの遺言』上映会と地域通貨ゲームに参加して以来です。
JR総武線の市川駅には高層ビルが隣接。「アイ・リンク タウン」という公共施設だそうで、展望デッキがあるとの表示に従ってフラフラとおのぼりさん。
45階、地上150メートルからの360度の展望は見事なものでした。
東は千葉市方面、北は遙かに筑波山が望め、西から南にかけては江戸川の流れの向こうにスカイツリー、都心から横浜方面のビル群、それに陽光を受けて輝く東京湾も。
もう少々時間があったので駅の周辺を散策。
この時、ラジオでは、築地の初セリでクロマグロ一本に1億5千万円の値がついたとのニュース。景気回復の兆しであれば喜ばしいことながら、やや批判的なコメントつきです。
北に向かうと、「文学の散歩道」という案内板がありました。
名刹・真間山弘法寺への参道を中心に、万葉集やゆかりの文学者達の歌碑などがあるそうです。すぐ近くには小さな稲荷神社。
この辺り、国府台(こうのだい)という地名の通り、かつて下総国(しもうさのくに、現在の千葉県北部から茨城県南西部、埼玉県と東京都の一部にまたがる大国)の国府があったところ。
戦国時代、小田原北条氏が関東の覇権確立の重要な契機となった国府台合戦の地としても知られています。日を改めて歩いてみたい土地です。
この日の目的地は、駅からほど近い市川市公民館。
13時半から、ドイツのドキュメンタリ映画『シェーナウの想い』の上映会が開催されました。
主催は地元の市民グループ「虹の天使プロジェクト」で、「グリーンズ千葉」の共催です。
参加者は30名ほど。千葉の方が多いようですが、川越や日光から来られた方も。
ドイツ南西部にある人口2500人ほどの小都市、シェーナウ。
1986年のチェルノブイリ事故の後、ここで数人の親が「原子力のない未来のための親の会」を結成し、情報発信のためのスタンド設置、「節電コンテスト」の実施から始め、独自の電力会社(EWS)まで発足させます。
そして、2度の住民投票を僅差で勝利して市の認可を得、寄付を募って送電網を買い取り、ついに1997年から自然エネルギーを中心とした電力供給を開始したという内容のドキュメンタリ(2008年製作)です。
その後、ドイツは電力事業の全面自由化に踏み切り、ドイツ国民は自由に電力会社を選択できるようになったことから、EWSの顧客数は毎年増加しているとのこと。
映画の鑑賞後は、ワールドカフェ形式の意見交換。
6名ずつでグループとなって映画の感想等をシェアします。一通り話し合いが終わると2回のメンバー交換、多くの参加者と顔を合わせて交流ができました。
最後に、自分たちで取り組めること等について書き出してホワイトボードに貼り、それを見ながら全体での意見交換。
現代の日本ではおよそできそうもないことが、ドイツでは実現していることに対する驚き。
2度の住民投票の投票率がいずれも80%以上だったことについては、単純に比べられないとはいえ、戦後最低だった我が国の国政選挙との違いについて考えさせられたとの発言も。
そもそも、日本では住民自治の意識が乏しいのではないか等の意見も出されました。
必ずしも結論めいたものがまとまった訳ではありませんが、このような地域で話し合う機会を、地道に継続していくことの重要さについては、共通認識が得らました。
さらに、政治や社会の仕組みづくりへの関心が必ずしも高くなく、あるいは「白けて」いる多くの人達(この日のような会合に主体的に参加しようとはされない人達)にいかに働き掛け、どう巻き込んでいくかが課題であることについても、共有されたようです。
市川等では「トランジションタウン」の活動も始まっています。
それぞれの地域に密着した取組の発展が期待されます。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
(↓ランキングに参加しています。よろしかったらクリックして下さい。)
人気ブログランキングへ