2013年12月18日(水)は全国的に荒れ模様、都心でも雪になるとの予報の中、今年最後の「共奏キッチン♪」が開催されました。
みんなで料理を作って食べつつ語り合おうというイベントが、月1回程度、開催されています(誰でも自由に参加できます)。
東急東横線・自由が丘駅南口を出ると、冷たい細かな雨。徒歩5分ほどで閑静な住宅街の中にある「シェア奥沢」へ。
クールシェア、ウォームシェアの提唱者でもある多摩美術大学教授の堀内正弘先生(情報デザイン、都市計画)が自宅を改装し、コワーキングシェアスペースとして地域に開放されているのです。
映画の上映会や演奏会等も、随時、開催されています。
19時過ぎに到着、この日の参加者は10名ほどと少なめです。
広間の壁に貼られた紙に名前を書いた人から、順次、料理に取りかかっています。
真っ先に目を引いたのは、テーブルに並べられた大きな円形のターサイ。淑女のベレー帽に似合いそうな美しさです。
泥付きの長ネギや大根、切り干し大根、黒豆、サツマイモ、生の白ゴマ等も。
その場にいた人でざっとメニューを決めて壁に書き出し、各自、調理に取りかかります。足らないものは近くのスーパーに買い出し。
ターサイはちぎってボールへ。鍋と炒め物に使います。サツマイモはアルミホイルでくるみオーブンへ。ネギは鶏ムネ肉と炒めます。
野菜たっぷりの酒粕汁、大根とえのき、豚肉の煮物、ネギと鶏肉の炒め物、黒豆の赤ワイン煮等が、次々と出来ていきます。
切り干し大根の煮付け(福島出身の方は「引き菜いり(ひきないり)」と呼んでおられました)も。
五分づきのご飯は、圧力鍋で美味しく炊きあがりました。
できた料理から、順次、広間のテーブルへ。
大きなテーブルクロスは、永く「共奏キッチン♪」の会場として利用された「三田の家」から引き継いだものとのこと。
テーブルを囲んで、好きな飲み物で乾杯。めいめいに小皿に移して食事を頂きます。
ほっこりとした優しい味付けです。
食事をしながらイベントの告知なども。
初参加の「US.Peace」の方からは、埼玉・小川町で取り組んでいる野菜の宅配、農業体験会、シェフズ・テーブル等について紹介して頂きました。
代々木公園でのアースディマーケットにも出展されている「週末農風」の方からは、好評だった「たねと食のおいしい祭」の第2弾を、明年2月16日(日)に国分寺カフェスローで開催するとの紹介も。
一段落したところで、いったん片付けに。
人数の割に食事はたっぷりすぎたようで、残ったご飯はおむすびにしました。白ゴマをまぶすと香ばしく美味です。
テーブルも片付けて車座になり、対話のタイム。
この日は、どうすればよりよくシェアができるか、対話の時間をじっくり取る工夫ができないかなど、共奏キッチン♪の進め方等について話し合われました。
終了予定の22時を回りましたが、せっかく初参加の方もおられたので各自一言ずつ。なかなか会話が途切れません。
雨音も強くなってきて、遠隔地まで帰る身としては、申し訳なかったのですが中座させて頂きました。
このイベントでは、つながりのある生産者の方の食材を取り寄せ、みんなで料理し、語り合いながら食べることによって、生産者との「顔の見える関係作り」も含めて、ネットワークが拡がっていきます。
オーナーの堀内先生も、食育のあり方については色々とお考えがあるようです。
「食」には、大きな問題と可能性があります。
霊長類学の山極寿一先生は、
「共に食べることは人間の社会性の原点」であるとし、「現代人は食べることに効率性を求めすぎているため、人間の社会性も危機に直面している」と警鐘を鳴らされています。
一方、宇宙学の松井孝典先生は、
「環境問題と大上段に構えるだけでは経済に負けてしまうが、食べるという毎日の行為は意識を変えるという意味ではいちばん大きな転機になり得る」とされています(以上、鷲田清一編「『食』は病んでいるか」、ウェッジ選書2003より)。
そして、共奏キッチン♪主宰者のたかったーさんは、
「言葉にはうまくできないけれど、大切にしたい何かを分かち合いたい。こんな関係性が広がっていったら、今ある社会課題の多くは消えてしまうかも。一緒に共奏の輪を広げていきましょ〜☆^^」。
次回は、明年1月8日(水)に開催予定です。
追って共奏キッチン♪FBページでも告知されますので、ご関心を持たれた方は気軽にお立ち寄り下さい。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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