春一番の強風が吹いたと思ったら翌日は冷たい雨の一日になるなど、不安定な天気が続きます。
毎年のことながら、この季節は花粉のせいで外出が億劫になるのですが、久しぶりに昼休みに日比谷公園に足を運んでみると、海棠、菜の花、沈丁花などが咲き誇っています。季節は確実に春本番を迎えつつあります。
そのような季節のなか、2014年3月17日(月)の夜、蔦谷栄一先生の新著『地域からの農業再興~コミュニティ農業の実例をもとに~』出版記念演奏会&パーティが開催されました。
会場は東京・銀座の紙パルプ会館です。
蔦谷先生は農業政策論がご専門、特に都市農業や耕畜連携については第一人者で、多くの著作があります。
昨年、永く勤めておられた農林中金総研を退職され(現在も客員)、ご自身で「農的社会デザイン研究所」を立ち上げられました。
19時前に到着した時には乾杯も終わり、蔦谷先生の挨拶が始まるところでした。
「大規模化など経済至上主義ではなく、生産者と消費者、人間と自然などの関係性を見直していくことが必要。それがコミュニティ農業。国内外の現場に足繁く通い、多くのコミュニティ農業の実例を見て確信した。
新しい生活にもようやく慣れてきた。FAXや郵送など事務処理も全て自分でしており、近所のコンビニとはすっかり顔なじみになった」等と話されました。
ところでこの日は、単なるパーティーではなく、「演奏会」と銘打たれています。
蔦谷先生は多彩な方で自ら様々な楽器を演奏されるのですが、その音楽を縁につながったお仲間による演奏が始まりました。
最初はリコーダーアンサンブルです。演奏は、農林中金OBが中心の「B’s」(蔦谷先生は大きなバスをご担当)。クラシックからポップスまで4曲ほどが披露されました。
続いて、蔦谷先生の尺八と奥さまの三味線による地歌「黒髪」。さすがに息の合った演奏です。
最後は、和楽器演奏集団“百姓一揆”による各地の民謡。農林中金OBと「生きもの調査」に関係するメンバーによる演奏です。歌詞も配られ、歌と手拍子で盛り上がりました。
和やかな雰囲気で歓談は進みます。
半ば過ぎ、蔦谷先生ご自身から、参加者一人ひとりの紹介がありました。
勤務先の同僚の皆さん、仕事や趣味でつながりのあった方、高校(仙台)の同級生の方も駆けつけておられました。
蔦谷先生の暖かいお人柄が偲ばれる会でした。
21時頃にパーティーはお開き。ビルの10階に案内して頂きました。
実はここは、有名な「銀座ミツバチプロジェクト」の本拠地なのです。
屋上には多くのミツバチの巣箱が並べられ、ここで獲れたハチミツは銀座のデパートで販売されたり、スイーツやカクテルの材料に使われています。
銀座でも、ミツバチを仲立ちとした人と地域と自然のコミュニティが拡がりつつあります。
さて、蔦谷先生は「銀座農業政策塾」等で多くの講演をされているだけではなく、山梨・牧丘町の養蚕農家を改造した「農土香の会」、西東京市の交流スペース「おむすびハウス」を運営されるなど、ご自身も多くの実践をされています。
これからも、学ばせて頂くことがたくさんありそうです。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
(↓ランキングに参加しています。よろしかったらクリックして下さい。)
人気ブログランキングへ