図10 地産地消弁当と唐揚げ弁当のフード・マイレージ


◆ F.M.豆知識
  フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎回少しずつ取り上げていきます。
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5 フード・マイレージ基礎知識
(10) 地産地消の効果測定-5 (お弁当)
 ここ数回、地産地消が有する輸送に伴う環境負荷の低減効果について、東京・小金井市における伝統小松菜、金沢市における加賀野菜等を用いた献立、阿蘇・産山村におけるあか牛に関する3つのケーススタディを紹介してきました。

 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/5_komatuna.pdf
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/8_kagayasai2.pdf
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/9_ubuyama.pdf

 今回は、より身近なお弁当について試算してみます。

 筆者は2005年から3年ほど熊本に在勤・在住しましたが、地元生協が主催する講習会に参加した際、昼食に出して頂いた「地産地消弁当」のフード・マイレージを計算してみました。素材にこだわる地元の弁当屋さん(Kランチ)製のものです。
 主な食材(米、ニンジン、タマネギ、豚肉)について計算したフード・マイレージは12kg・km(キログラム・キロメール)なりました。また、同じ食材について、熊本県産にこだわらず国産品を使用した場合は87kg・km、市場流通に委ねて輸入食材も用いた場合は325 kg・kmとなります。
 このように、地産地消のフード・マイレージ縮減効果は明らかです(前出の小松菜や加賀野菜等のケーススタディと同様です)。

 さて、熊本の3年間は人生初の単身赴任で、昼食は、しばしば市販のお弁当のお世話になりました。特に「HH亭」の鶏の唐揚げ弁当は、安くてボリューム十分で、食べ応えがありました。
 この唐揚げ弁当のフード・マイレージを計算してみると、ブラジル産鶏肉を使用していると思われることから、1203kg・kmと非常に大きな数字となりました。
 
 このことは、お弁当や外食の場合は、輸入品が使用されている可能性が高い(国産でも飼料の輸入依存度が高い)肉類等を用いたメニューを避けることにより、相当程度、フード・マイレージを縮減できることが分かります。

 もっとも、肉類だからいって必ずフード・マイレージが大きくなるとは限りません。前回、紹介したような阿蘇・産山村のあか牛のように、飼料まで自給している場合は、フード・マイレージは非常に小さくなることに留意する必要があります。

[参考]
 中田哲也『フード・マイレージ-あなたの食が地球を変える』
 (2007、日本評論社)
 http://www.nippyo.co.jp/book/3137.html

 フード・マイレージ関係資料(F.M.豆知識)
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data.html

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