2014年8月30日(土)は、待ちかねていた大山千枚田(千葉・鴨川)の稲刈りの日。
7月に草取りで訪ねた時の青々とした棚田が黄金色に染まっていると聞き、今回も、地域おこしのポータルサイト「地元びいき」が主催する「天水だけの『棚田』で米づくり!Project」に参加させて頂くことにしたのです。
ところが当日朝の4時頃、大きな雨の音で目が覚めました。
本当に稲刈りできるか心配しながら、朝7時にJR川崎駅西口へ。前回に続きKさん(通称・店長さん)の車に乗せて頂きました。
工場地帯を抜けると渋滞も解消、快調に東京湾アクアライン経由で鴨川を目ざします。
途中でも、断続的に強い雨が落ちてきましたが、9時前に現地に到着した時は雨は小降りに。生憎の空模様ながら、千枚田脇の駐車場は満車です。
まずは、「棚田倶楽部」に向かって山道を登ります。
雨模様の空の下、黄金色に輝く稲穂が千枚田を埋めています。すでに稲刈りが終わった区画も散見されます。
様々な趣向を凝らした案山子(かかし)が並んでいました。コンクール実施中だそうです。
大山千枚田とは、東京から最も近いところにある棚田。
1997年、地元の方たちが「大山千枚田保存会」を立ち上げられ、関東で初めての棚田オーナー制度を始められるなど、都市と農村の交流活動を通して新しい農村のスタイルの実践に取り組んでおられます。
広場に集合してオリエンテ一ション。テントの中では、稲束を結わえる「すがい縄」がつくる人たちが。
まず保存会の理事長さんから、「天水に頼っている大山千枚田にとって雨は正に恵みの雨。強い日射しもなく、土が軟らかいため稲架 (はざ)も組み立てやすい。今日は、正に稲刈り日和」等の挨拶を頂きました。
事務局の方からは、稲の刈り方や結わえ方が分からない人は指導員が行くまで待っているようにと注意。結び方が緩いと稲穂が抜け落ちてしまい、そうなると修復は困難とのこと。
また、鎌を使うので怪我に気をつけるように。さらに、 雨上がりはマムシが出やすいとの注意がありました(ペットボトルに入れたマムシを見せてくれました)。
さて、レインコートをまとい、いよいよ自分たちの区画へ。
前回来た時は、一面の緑色の葉と、小さな白い花が夏風にそよいでいた199平米の区画は、この日は黄金色の稲穂でびっしりと被われています。豊作のようです。
この日の参加者は大人12名と子どもが5名ほど。
保存会の川崎さんが指導して下さいました。鎌を稲株に添えてから左手でつかみ(手順を間違えると怪我しやすいとのこと)、引くようにして切るそうです。
片手が一杯ほどの稲束を4束ずつ「すがい縄」で結わえていきます。すがい縄は、地元の方や先週も参加したメンバーの方たちが、稲わらをなって作っておいてくれたものです。
思い思いの場所に散り、見よう見まねで作業を開始。
5束ほどできたところで川崎さんが回ってこられ、結わえ方が違う、緩いと言われてやり直し。何度か稲刈りの経験はあるのですが、地域によって違うところもあり、難しいものです。強く結わわないと落ちてしまうそうです。
だんだんと慣れてきて、特に若い人達は作業も早く、どんどん稲は刈られていき ます。
子ども達は鎌は触らせてもらえませんが、刈り取った稲を運ぶなどのお手伝い。
半分ほど刈り取りが進むんだ地面に、川﨑さんが竹で稲架(はざ)を組み立てていって下さいます。
稲を刈り終わり、はざ掛けに取りかかったところでお昼の休憩に。
いつか雨は上がり、時折、陽が射してくるようになりました。
棚田の風景を眺めながら「棚田倶楽部」へ。昼食は今日も棚田カレーです。ご飯が棚田のかたちに型抜きされて盛られ、野菜サラダが添えられいます。屋外のテントの下でみんなで頂くカレーは、何とも言えない美味しさです。
ゆっくりと休憩の後、田んぼに戻ります。あちらこちらで稲刈りが進んでいます。
はざ架けの続き。川崎さんが、もう一組、稲架を組み立ててくれます。
2本の稲架に刈り取った稲を全て架け終わったところで、この日の作業は終了です。思ったより早く終わりました。
時折、雲の切れ目から陽が射してきます。
はざ架けした稲の前後に並んで記念撮影(中央の写真は後ろから見た図)。
すっかり子ども達に馴つかれた店長さん(本人は独身)は、子どもの一人にせがまれて肩車したため、自分は写らなかったようです。
ところで、この日も多くの田んぼの生きもの達に出会うことができました。
稲刈りが進むにつれて多くの種類のたくさんの生き物が姿を現し、そのたびに子ども達の歓声が響きます。
10センチほどの赤腹のヤモリが、 驚いて畔の草むらに逃げ込みます。
野草の花には宝石のような ヤマ トシジミ。
足元を見ると、2 匹の蟻が自分達より何倍も大きな芋虫(何の幼虫だろう)をせわしなく違んでいます。小さなバッタも運ばれていきます。
稲刈り時の田んぼは、蟻たちにとっては獲物をゲッ トする好機のようです。
「地元びいき」代表の富士子さんが、カマキリを鎌の上に乗せていました。鎌の上のカマキリです。
棚田倶楽部に戻り、シャワーを浴びて着替え(実は後刻、ここでとんでもない失態を犯したことを知ることになるのですが・・・汗)。
さっぱり して改めて棚田を眺めると、その美しさが目に染みてきます。この日一日で、だいぶ稲刈りが進んだようです。風も心地よく感じられます。
この光景は自然のものではありません。保存会の皆さんの永年にわたる地道な取組に感謝したい気持ちがわいてきます。
車に分乗し、近くの鴨川市総合交流ターミナル 「みんなみの里」へ。天気が良くなかったせいか、普段は午後には売り切れていることが多いというらしい野菜も、まだたくさん並んでいました。
ザリガニ釣りには、大人達も夢中に。
ここで解散。車はそれぞれ帰途に就きました。
帰りも渋滞はなく順調で、16時半過ぎ、まだ明るいうちにJR川崎駅に到着。店長さん、今日もお世話になりました。
別の車で帰ってきたT氏と京急蒲田で待ち合わせし、住宅街の中にある海鮮多国籍料理のお店「潜水艦」へ。
ここで、檜原村でのゴマ栽培や品川マルシェに取り組むグリーンスマイルの仲間6名で飲み会に。
このお店のオーナーは元魚屋さんとのことで、美味しい刺身などを堪能しました。最後のラーメンが、また、絶品です。
ところがこれで〆にならず、大井町に移動して久しぶりにカラオケ(皆さん、上手い)。気がつくと終電の時間が・・・(汗)。
【ご参考】
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