奥沢ブッククラブ(第4回)

 2016年1月18日(月)。東京地方は雪に見舞われました。
 週始めの通勤の駅もすごい混雑、大遅刻。翌日は青空が戻ってきましたが、近所の畑では白菜が雪を被っています。
 年末以降の暖冬で開花した梅も、雪景色の中で寒そうです。
 (このブログを執筆している26日も、まだ雪は消えていません。)
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 21日(木)は、東京・自由が丘のシェア奥沢へ。奥沢ブッククラブ(第4回)の日です。
 まだ出会っていない本、まだ出会っていない人との出会いを大切にする自由参加(出入り自由)の会。まずはご飯を食べるのがこの会の特徴です。19時前に着くと、炊き込みご飯の粕汁の食事が始まっていました。
 この日の参加者は13名。初参加の方も数名いらっしゃいます。
 前回の会で紹介した上堰米のお酒を調達して持ってきて下さった方も(有難うございます)。 
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 食事が一段落した19時10分頃に会がスタート。
 今回、初参加の方も多かったので、冒頭、コーディネータ(兼シェフ)役のシゲさんから、
 「読書とは元々孤独な作業。それはそれで満足できるが、本をきっかけに他の人と話し合うと、全く違う読み方ができると言う発見がある。ということで、月1回程度のペースで開催している」等の説明。
 続いて、毎回恒例のUさんによる絵本の朗読。今回はかがくいひろし「がまんのケーキ」です。
 実は今回の会のテーマは「エロス」なのですが、エロスと関わりのある絵本を何冊か持参して下さいました。
 Uさんのお薦め本は、フジテレビアナウンサー・笠井信輔「僕はしゃべるために ここ(被災地)へ来た」。テレビでは話せないことが盛り込まれているそうです。
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 続いて、初参加の方から優先的に自己紹介と、お薦め本の紹介。
 幼い頃からファンタジーが好きだったという女性のお薦めは「不思議の国のアリス」
 放課後の子ども達のための読み聞かせ広場を開きたいという女性からは、曽野綾子「神さま、それをお望みですか」。やなせたかし「やさしいライオン」は、子どもが小さい頃に毎晩読み聞かせながら泣いていたそうです。
 遠藤周作「死海のほとり」本多勝一「アラビア遊牧民」を紹介して下さった方も。
 続いて常連の男性からは齋藤孝「上機嫌の作法」馬野周二「石油危機の幻影」。後者は地球規模のエネルギー収支という大きな観点から環境問題を考えることの大事さを教えられたとのこと。
 セーヌ川に身投げしようとする人を人形遣いが救ったという(フランス版「文七元結」?)ポール・ギャリコ「七つの人形の恋物語」を薦めて下さった男性。
 今回はミステリを集中的に推薦して下さった男性からは、タチアナ・ド・ロネ「サラの鍵」、エーリク・ヴァレア「七年目の子」、ジョエル・ディケール「ハリー・クバート事件」。
 心屋仁之助「光と影の法則」を薦めて下さった女性。
 吉村昭の短編が好きと「星への旅」「メロンと鳩」を紹介された女性。
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 自己啓発の源流・アドラーの教え「嫌われる勇気」を薦められた男性。たくさんの付箋が付けられています。
 自分の読書の原点と「怪盗ルパンシリーズ」を紹介して下さった女性。
 アヴィ・スタインバーグ「刑務所図書館の人びと」を紹介された女性は、電車の中でこの本を開くと周りの人が目を見張る、と。
 シゲさんのお薦め本は、日本最大のベストセラー・村上春樹「ノルウェイの森」。さらに河合隼雄「『老いる』とはどういうことか」。
160121_4_convert_20160126220321.jpg 私からは、色気(エロス)より食い気ということで正岡子規「飯待つ間」「仰臥漫録」。病床の子規の食への執着ぶりと、根岸庵(東京・台東区)も紹介させて頂きました。。
 小休憩を挟んだ後半は、課題図書をめぐって話し合い。一応、事前に読んでくることがルールになっています。
 この日の課題図書の1冊目はR.J.ウォラー「マディソン郡の橋」。ひと夏、わずか4日間の大人のラブストーリー。映画化もされたベストセラーです。
 前回、推薦された男性は「素晴らしい純愛物語とする人、あり得ないとする人の両極端に分かれる作品」とのこと。
 「母親は自分だけの秘密にしておけば良かったのに、なぜ、子ども達に知らせたのだろう」と疑問を呈する女性。これに対しては「自分の生きてきた証を残したかったのでは。最初は反発した2人の子どもも最後は理解した」とのコメント。
 「そもそも不倫という言葉はよくない。エロスに道徳は関係ない」と断ずる男性も。
 もう1冊は、ガルシア=マルケス「わが悲しき娼婦たちの思い出」
 書き出しは「満90歳の誕生日に、うら若い処女を狂ったように愛して、自分の誕生祝いにしようと考えた」というスゴいもの。
 この書き出しを読んで嫌悪感のようなものを感じたという女性。一方的な男性目線の小説で「勝手にしてよ」と思ったという女性。
 男性からも、「そもそも愛にはコミュニケーションの喜びが不可欠。少女は薬を飲まされ裸で眠らされているだけ。一方的な愛はストーカーと同じ」との批判的感想。
 シゲさんから女性たちへの「14歳の頃を思い出して、この女性の気持ちは理解できるか」との投げかけには、総じて全く理解できないとの答え。
 談笑が続くうち、愛やエロスに対する考え方について、女性と男性の間でどうやら根本的な違いがあることが浮き上がってきました。
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 ということで次回は女性の目線から、ということで課題図書は林芙美子「浮雲」に決定。
 戦中から戦後にかけての激しい愛の物語のようです。
 次回(第5回)は2月24日(水)。
 18時半頃から食事(準備は17時頃から)、19時頃から推薦本の紹介と課題本についての話し合い、という予定です。
 詳細はFBページ(公開グループ等)でも紹介されます。誰でも参加できます。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で1月12日以降更新できなくなったことから、現在、移行作業中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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