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◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信− ◇◆◇
No.87; 2016.2/8(日)[和暦 睦月朔日]発行
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立春を過ぎました。
心なしか日が長くなり、風の冷たさも和らいできたように感じられま
す。今日は睦月朔日、いよいよ新しい年がスタートしました。
時の流れを体感して頂くため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)と
十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は睦月朔日の
配信です。
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◆ F.M.豆知識
食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、
あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げ
ていきます。
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「一票の格差」
2015年7月、公職選挙法の一部を改正する法律が成立しました。この結
果、8選挙区で定数が変更されるほか、私の故郷である徳島選挙区は隣接
する高知県と合区され定数4が2に削減されることが決定されました(鳥
取、島根の両県も同様)。
この改正の結果、今夏に予定されている参議院選挙においては、1票の
格差」は最大3倍程度に縮小されることとなります(これでも依然「違憲
状態」とされるのかもしれませんが)。
憲法が定める「法の下の平等」を確保することは、重要かつ当然のこ
とです。しかし個人的には(故郷が独自の代表を出せくなるという恨み
つらみは別にしても)いささか違和感を隠せません。
それは、法の下の平等が人間だけに適用されていることです(当然と
いえば当然ですが)。
しかし、この国や社会を構成し、国土や環境を守っているのは人間様
だけではありません(そうですよね)。ということで、半ば冗談ながら、
牛1頭当たりの「格差」を計算してみました(表44)。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/44_kakusa.pdf
2015年における全国の牛(乳用牛及び肉用牛)の飼養頭数は約386万頭。
これを選挙区定数で割ると、最も少ないのは東京都の200頭に対して最も
多いのは北海道の約22万頭。その格差は、実に1100倍以上もあります。
また、同様に定数1人当たりの森林面積を計算してみると、最も少ない
東京都の7千haに対して北海道は92万haと、こちらも140倍もの格差があ
ります(「1票の格差」の3倍程度とは比べるべくもありません)。
もちろん、牛や森林に住む生き物たちには選挙権はありません。した
がって定数是正の議論が人口だけを対象に行われているのは、当然では
あります。
しかしながら、この国の国土や環境を適切に管理していくという観点
からは、果たして人口だけの議論で十分なのでしょうか。
人口の三大都市圏(とりわけ東京圏)への集中が続くなか、今後も機
械的に定数是正が行われていくのであれば、選挙制度も政治も、ますま
す都会中心のもの(都会人の都合やニーズをより強く反映したもの)に
なっていく恐れはないでしょうか。それが多数派の利益なのだから当然、
ということで問題はないのでしょうか。
定数是正を進めていくと同時に、人口配置も含め、バランスのとれた
国づくりを模索していくことも重要ではないかと考えます。少しは牛の
声も政治に反映してはどうでしょうか、と思うのはモー想に過ぎないの
かもしれませんが。
[出典、参考資料等]
総務省「参議院選挙区選出議員の選挙区及び定数の改正等について」
総務省「人口推計(平成26年10月1日現在)」
農林水産省「平成27年畜産統計」
林野庁「都道府県別森林率・人工林率(平成24年3月31日現在)」
FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html
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◆ オーシャン・カレント −潮目を変える−
食や農の分野について、先進的かつユニークな活動に取り組んでお
られる方達、トピックス等を紹介しています。
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今日(2016年2月8日)は和暦では睦月朔日(元旦)。和暦の元旦は立
春に近い新月の日です。
日が長くなり、寒さが緩み、梅の花の香りが漂ってくるという春の始
まりが一年の始まり。年賀状に「初春」「迎春」等と書くのは、その名
残だそうです。
そのような和暦のことを教えて下さったのは、高月美樹さん。
月刊誌の編集を経て独立された高月さんは、日本古来の和暦に辿り着
き、2003年から地球の呼吸を感じるための手帳『旧暦日々是好日』を製
作・発行されています(私も毎年、愛用させて頂いています)。
この手帳は1年間のダイアリーとなっており、美しい挿絵とともに歳時
記が紹介されているだけではなく、読み物として読み進めていくと、生
活に和暦を取り入れることの大事さが自然に理解できるようになってい
ます。
和暦とは、太陽と月の周期を併用した太陽太陰暦のこと。
現在の日本人は直線的な一つの時間軸しか意識していませんが、かつ
ては月の満ち欠けと季節の変化という二重の時間軸を感じながら生活し
ていました。
また、自然と一体になって暮らしていた昔の人々は「気配」や「兆し」
に敏感で、四季の豊かな国に暮らす日本人は、月の満ち欠け、草花のた
たずまい、虫の音や鳥の声などに時の移ろいを読みとりながら暮らして
きました。季節感とはまさに「生命観」そのものだったのです。
『和暦日々是好日』最新版のなかで、高月さんは、「私たちも自然の
一部として循環できる存在になること、そんな未来が実現することを心
から願っています」と記されています。
今年も一年、この手帳を手もとに置き、時の流れを意識しながら過ご
していきたいと思っています。
[参考]
LUNAWORKS『和暦日々是好日』
高月美樹さんブログ「太陽と月の結婚」
http://ameblo.jp/kyurekihibikore/
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◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベント
の開催情報等をお届します。
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▼ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報
○ ふくしまオルガン堂・恒例の(最後の)餅つき大会など (01/21)
http://food-mileage.jp/2016/01/21/
○ 奥沢ブッククラブ(第4回) (01/27)
http://food-mileage.jp/2016/01/27/
○ 日本の田んぼを守る酒蔵・仁井田本家を訪ねる旅 (01/31)
http://food-mileage.jp/2016/01/31/
○ 節分の日、「対話の場づくり部」は解散しました。 (02/05)
http://food-mileage.jp/2016/02/05/
▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には
必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。
○ 森の食卓 説明会&懇親会
日時:2月11日(水・祝)16:00〜
場所:森の食卓(東京・三鷹市井の頭)
主催:森の食卓
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1636817103249007/
○ 奥沢ブッククラブ(第5回)
日時:2月24日(水)18:00〜21:00
場所:シェア奥沢(東京・世田谷区奥沢)
主催:奥沢ブッククラブ
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1244400528908896/
○ ランチをしながら乾物講座「栄養、健康効果、切干大根料理を学んでみませんか?
日時:2月21日(日)11:30〜13:00
場所:東京農業大学「食と農」の博物館(東京・世田谷区上用賀)
主催:農業情報総合研究所
(詳細、お問合せ等↓)
http://m-motegi.at.webry.info/201601/article_3.html
○ 福島復興!今だからこそ大交流会
〜ふくしまの今を知り「ほんとの幸」を分かちあう〜
日時:2月21日(日)14:00〜17:00
場所:北沢タウンホール(東京・世田谷区北沢)
主催:ゆうきひろがる〜有機農業とオーガニックライフ〜
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/875994039198636/
○ 福島学カフェ
in 駒場「廃炉編」新刊発表会 開沼博先生
日時:3月7日(月)19:00〜21:00
場所:一般社団法人 番來舎(東京・目黒区駒場)
主催:番場 さち子さん
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1198491276829315/
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* 今号のコツコツ小咄。
「いい物語の書き手は、読者の心に火を付けるね」
「ライターだけにね」
注:「コツコツ小咄」は、拙FBページにて土日祝を除く毎日、絶賛(?)
投稿中です。
https://www.facebook.com/tetsuya.nakata.7
* 次号No.88は、2月22日(月)[睦月十五日]の配信予定です。
* 和暦については、今年も高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考に
させて頂きます。いつもありがとうございます。
* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方
の部分は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】
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◆ 発行者:中田哲也
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