【オーシャン・カレント】柏木智帆さん

柏木智帆(かしわぎ・ちほ)さんは神奈川県の出身。新聞記者としてお米やお米文化についての取材活動を続けるうち、「これはただの農産物ではない」とお米に魅せられていきます。

ついに「現場を知らずに記事を書くのはもどかしい」と8年勤めた新聞社を脱サラ、千葉県の営農組合に転職されました。ここで米生産の作業を学び、翌年には「無謀にも」(本人談)独立、45アールの水田で機械も農薬も使わずに米生産に取り組みます。
 また、中古車を改造して炊飯器を積載、おむすびの移動販売も始められます。しかしキッチンカーが故障で廃車になったこともあり、改めて「米の消費拡大のために自分だからできることをやっていこう」と考え、鍬を再びペンに持ち替えました。
 現在はフリーランスの「お米ライター」として活躍中です。

お米を中心とした日本の食文化の再興、お米の消費拡大等をテーマに、新聞、雑誌、ネット、ラジオ等の媒体を通して、あるいはワークショップの講師等として、積極的に情報発信されています。

ご自身は、昨年、福島・猪苗代で400年続く農家の男性と結婚。
 ライター業の傍ら、繁忙期は約20haの有機米等の生産のお手伝いをするなど、2足の草鞋(わらじ)を履いて活躍中です(草鞋も稲わらで作られます)。

2018年8月17日付けの日本農業新聞、20回続いた連載コラムの最終回の最後を、柏木さんは次のような言葉で締めくくられています。
 「私たちが、何をどう作るか、どう食べるか、何をどう売るか、何をどう食べるか。その一つ一つはたとえ小さくても、いつかの日本の水田風景や私たちの食卓に大きく影響することを心にとめたい」。
 さすが、おむすび大好きの柏木さんらしい見事な「むすび」の文章です。

[参考]
ブログ「柏木智帆のお米ときどきなんちゃら」
 https://chihogohan.hatenablog.com/
────────────────────
出典:フード・マイレージ資料室通信 No.151
(配信登録もこちら)