【豆知識】減少が加速する米消費量

米の消費量が減少を続けていることはよく知られていることですが、改めてデータを確認します。
 リンク先の図180をご覧ください。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/11/180_komeshouhi.pdf

 中央のグラフの稲穂色の太線は、米の1人・1年当たり消費量(供給純食料)の推移を表しています。
 最も消費量が多かったのは1962年度の118.3kgです(米俵ほぼ2俵分)。  経済の高度成長が始まると、食生活の大きな変化(畜産物や油脂類の消費増)もあり、米の消費量は年々大きく減少しました。
 1980年代に入ると減少の度合いは緩やかになるものの、現在までほぼ一貫して減少が続いており、2017年度は54.2kgと最も多かった時に比べて半減以下(45.8%)となっています。

 さて、グラフの中の直線は10年毎の傾向線を示しています。  その傾き(1年当たり減少量)を示したものが右上の棒グラフです。
 これによると、1990年代まで鈍化してきた減少率は、2000年代以降、逆に高まっている様子が見てとれます。

 米の消費減の傾向は、近年、加速しているのです。
 何をどのくらい食べるかは、もちろん個人の自由です。
 しかし、糖質を一切とらないといった極端なダイエットは、逆に健康リスクを高める恐れがあります。
 さらには、稲作(水田)が国土保全など多面的な機能を有していること、文化や伝統とも切り離せないといった事情を踏まえると、このまま米の消費量が減少し続けていことには懸念を覚えざるを得ません。

[出典等]
 農林水産省「食料需給表」
 http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/zyukyu/

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-No.180
 2019年11月11日(月)[和暦 神無月十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
 (過去の記事はこちらにも掲載)
  https://food-mileage.jp/category/mame/