前号では、日本における水稲収穫量の長期的な推移を紹介しました(リンク先の図104の橙色の折れ線)。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/08/104_kome.pdf
1933年頃までは収穫量は順調に増加しましたが、戦争の影響により伸び悩むようになり、終戦の年の1945年には一気に落ち込みました。戦後に入ると一転して増加しますが1967年にはピークを迎え、その後は生産調整が実施されるようになったこと等により右肩下がりで推移しています。
一方、日本の人口はこの間ほぼ一貫して(1945年を除いて)増加し、2009年には 1883年の 3.4倍となっています(リンク先の図105の青色の折れ線))。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/09/105_kome2.pdf
そして緑色の折れ線が、国民1人当たりの米の収穫量の推移です。
これによると、1883年においては 122kg/人だったのが1920年頃までは増加傾向で推移しましたが、人口の増加もあり、戦後の1953年頃までは減少を続けます。
その後は1967年までは増加するものの一転して減少傾向で推移するようになり、2014年には 67kg/人となっています。これは、米騒動が起こった1918年の 46%、飢餓に苦しんだ終戦の年に比べても 83%という低い水準です。
これは、私たちの食生活パターンが大きく変化(畜産物・油脂消費の急拡大)したためです。
[参考]
農林水産省「作物統計調査」(収穫量累年統計、水稲、全国)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?tclass=000001024932&cycle=0&layout=datalist
総務省「国勢調査報告」「人口推計資料」等
http://www.stat.go.jp/data/chouki/02.html
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出典:フード・マイレージ資料室通信 No.151
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