池袋のNPO法人エコ・コミュニケーションセンター(ECOM)主催「都市農山漁村交流しごと塾」(第2期入門編)の最終回を、ふと覗いたのは7月7日のこと。都市と農山漁村にあるそれぞれの資源をつなげるための、自分の働き方、生き方を生み出せる仕事を探すという趣旨のワールドカフェで、年齢、職業もばらばらの参加者がいくつかのグループに分かれてプロジェクトを構想するというものでした。偶然入ったグループの何人かの口から、しきりに「さいはら」「さいはら」という地名が出てきます。聞いてみると山梨県上野原市の西原地区とのこと。様々な人たちが熱心に地域づくりに取り組んでいる「さいはら」の魅力を、ぜひもっと多くの人たちに紹介し、さらには足を運んでもらいたい、ということで、その場でA4版1枚にメモ書きされたのが「しごと塾さいはら秋そばプロジェクト」。私も成り行きでメンバーの末席に名を連ねたのですが、まあ、構想倒れで終わるのだろうな、と思っていたのが正直なところでした。
ところが、主導的なメンバーの熱意と現地の皆さんの協力のもと、短期間に話は進み、ついに8月21日(土)にプロジェクトの第1回、「耕起と秋そばの種まき」が実現したのです。参加者は9名、私のようなオヤジや定年退職された方を別にすれば若い世代の男女ばかり。サラリーマンでありながら長野県に移住して週末農業を始められた方も。
この日、地元での受入の窓口になって下さったのはFさんです。西原のご出身で約10年前にUターンされ、今年6月には発足したNPO法人さいはらの理事長に就任されました。この方に、じゃがいも堀と、その跡地の耕起とそば播種といった慣れない作業を指導して頂きました。Kさんという若い女性の移住者の方も手伝って下さいました。地域の人たちを巻き込んで様々なイベントを企画・実施されているそうです。
しかし、何よりも印象に残ったのは「美味しいさいはら」。作業の合間に隣の畑の方から頂いたトマト、生のとうもろこし、ほおずき。交流施設「びりゅう館」(ここのS館長も地域外の方)での昼のそば定食と帰りがけの生ビール。作業終了後にFさん宅で風呂をお借りした後で頂いたFさんの奥様手製の紫蘇ジュース、ネギみそ、なんばん、蒸かしたジャガイモにスイカ。でも最高のご馳走は地元の皆さんの「おもてなし」でした。Fさんご夫妻を始め、地元の皆さんに心から感謝申し上げます。
ちなみに私からは、「さいはら秋そばプロジェクトは地球を救う!?」と題した参考資料を説明させて頂きました。そば打ち体験をする場合、地元産と輸入品とでどれだけ輸送による環境負荷が違うかを計算し、地産地消の意義を示そうとしたものです。
「さいはら秋そばプロジェクト」は、これからも月1回位のペースで、土寄せ、収穫、そば打ちと続きます。ご関心のある方はお問い合わせ下さい。