前半は私からフードマイレージの話をさせて頂きました。ケーススタディには地元で復活に取り組んでおられる「太ごぼう」の取り上げ、喜んで頂きました。各地域には、広く名は知られていなくても、それぞれ地域の伝統的な食材がたくさんあること、その復活に取り組む方々がおられるのです。
私の話はいわば前座で、セミナーの中心は後半の実践事例報告です。お二人の方から興味深い報告を頂きました。
お一人目は、環境カウンセラーの樋野彌生さん。「台所から環境を考える」と題して報告されました。台所を預かる主婦のお立場からの日々の実践的な内容です。例えば、捨てるところ無く使い切ること。例えば海老の殻もカラカラに煎ると、香ばしく、色も綺麗なピンク色の振りかけになる等のお話。
大量の食品廃棄は、日本の食と環境にとって最も深刻な問題の一つですが、樋野さんのようなちょっとした取組によって、生ゴミを大幅に減らせることが改めて分かりました。こう書いてみると当たり前のことのようですが、当たり前のことを面倒がらずにきちんとやることが、環境問題解決の第1歩です。
続いて、NPO法人すぎとSOHOクラブの豊島亮介さんから「里山から考える地産地消」と題した報告。すぎとSOHOクラブのお名前はかねてより聞いていましたが、この日は豊富な写真等を使ってのプレゼン。地域において楽しみながら様々な活動に取り組んでおられる様子が、豊島さんの若々しい熱意にあふれた報告からびんびんと伝わってきました。古い民家を舞台にした里山再生、農業やみそ造り体験、ふれあい市など非常に幅広い活動が、地域の方々を始め様々な機関・団体を巻き込んだネットワークによって行われていることがよく分かりました。本当に楽しそうで、豊島さんには一度イベントに参加することを約束しました。
環境問題、取り分け食にかかわる部分は、極めて個人の領域に属するものです。食育基本法という法律もあるにはありますが、本来、食の分野は政治や行政が「上から」指導できることではなく、問題解決のためには、一人ひとりの自覚と実践しかありません。その意味で、この日に報告頂いたお二人のような、地域において地道に実践され、その活動が拡がっていくことこそが、決定的に重要です。
帰途、蓮田の新亀酒造に立ち寄りました。以前に小川原良征専務の講演をお聞きし本も読んだりして、一度訪ねてみたいと思っていたのですが、残念ながら日はとっぷりと暮れ、酒蔵の様子は伺えませんでした。何とか開いていた店舗で、純米酒を数本調達して帰宅しました。
風邪はよくなりましたが、普段からの悪食のせいか口内炎が・・・。
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