先週1週間の記録。ただし、いずれも業務外。
6月27日(月)は、新しく移転した東新宿のパルシステム連合会事務室において、フードマイレージ・プロジェクトの事務局会議。
本プロジェクトの目的は、輸入食品と国産食品との輸送によるCO2発生量の差を「ポコ」によりカウントし、利用者の地域環境問題への関心を高め、さらに食生活のあり方や食料自給率の問題を考えるきっかけとすること。大地を守る会、パルシステム生協連合、生活クラブ生協連合、生協グリーンコープ連合を構成員に2009年9月発足、2011年4月からは新たに(株)ビオ・マーケットが参加されています。
本プロジェクトの呼びかけ対象となる会員・組合員数は、合計で約200万人。2009年9月の発足から昨年12月までの累積は4億7千万ポコ(1ポコはCO2 100g 削減)。これは、ブナ林のCO2吸収量に換算すると9700ha分(山手線内の1.3倍)に相当するとのこと。
この日の事務局会議では、畜産物のポコの計算方法について議論するとともに、会員・組合員の認知度やニーズを探るためのアンケート調査の実施等を検討していくこととなりました。
28日(火)夜は、神田の地域交流居酒屋「なみへい」で「東北のお酒を飲んで応援する会」。この日の幹事はかねてお付き合いのある団体職員のSさんという、熱くて元気なオジサン。顔も広く、この日も様々な分野の多くの方が来られていまたが、その中にはNPO法人「ZERO」の皆さんも。
ZEROは、ダブルダッチという2本の縄を使う縄跳びスポーツを通じて、地域作りや福祉活動のお手伝い、スクールなどの活動を行っている団体です。ある学校に行ったとき、自閉症の子どもが積極的に楽しんでお母さんから感謝されたといった話を伺いました。「なみへい」前の路上に出て即席のパフォーマンスも。若い皆さんのますますの活動の広がりに期待です。
29日(水)夕方は、上智大学で開催された第1回「東日本大震災に関わるグリーフケア・セミナー」を聴講。グリーフケアとは、深い悲嘆の中から回復しようとする人を支援すること。これまで阪神淡路大震災やJR西日本福知山線事故等へのケアを続けてきた上智大学グリーフケア研究所の高木慶子所長らにより、被災者にいかに寄り添うか等の内容の報告がありました。
配布して頂いた同研究所による緑色のパンフレットは、被災者へのボランティアに行く人には必携のものと思われます。
30日(木)夕方は、渋谷で開催された食生活ジャーナリストの会主催の勉強会「生産者の立場から考える放射能汚染」。講師の茨城県土浦市の農家・久松達央さんは40歳、大手民間企業に勤務後、新規就農されて12年目。有機栽培の野菜等を全量直販されている方です。
農業を営む自らを、他者の生命を育て奪う「汚れ役」とさえ位置付ける久松さんのような覚悟のある農業生産者がおられる限り、日本の食料供給は安心かも知れません。
しかし、茨城県中央部と福島県浜通りでは全く事情が違うのも事実です。
7月1日(金)は、吉祥寺の有志の方たちが自主上映された「ミツバチの羽音と地球の回転」を観てきました。昨年6月に続いて2度目でしたが、印象はだいぶ異なりました。前回は、原発反対運動の映画をエアコンの効いた映画館で観客として観ていることに、ある種の違和感というか、居心地の悪さを強く感じたものです(旧「伏臥慢録」6/4付け)。やはり当事者としての意識が足りなかったのだと思います。
それにしても昼夜で300席×2が前売り完売の盛況、最後の主催者代表の方の挨拶も含め、参加者の関心の高さと熱意が感じられる上映会でした。
2日(土)は15時から竹橋「ちよだプラットフォーム」で開催された戦略経営研究会主催の研究会「バイオマスの可能性と電力の小規模分散」、講師は東京農業大学の牧恒雄先生。大学で自ら取り組んでおられる木質バイオマス多用途技術の開発等は、目からウロコが落ちるような話でした。さらには、研究は社会に活かされないと意味がない、これまで研究者としてリアリティをもって説明してこなかったことが残念、等のお言葉には、実学を重んじ見学施設の整備等にも熱心に取り組んでおられる東京農大の先生だからこそ、研究者としての重い覚悟が感じられました。