4月3日(火)は「爆弾低気圧」で全国的に荒れ模様、各地で被害。
幸い私は帰途の交通にも影響はなく、大したことはなかったと思っていたのですが、翌朝、駅に向かう途中の桜の木が何本か斜めになっていて、相当強い風だったことを改めて知ったような次第です。
その翌日、飢餓のない世界を創るために活動しているNPOハンガー・フリー・ワールド(HFW)から、「世界から飢餓を終わらせるための30の方法」(合同出版)という本が送られてきました。
ちなみに、私も30分の1だけ担当しています。
ちょっと縦長のA5版、お洒落なデザインで、帯にはシンガーソングライターの川嶋あいさんの写真付きの推薦文。
現在、世界では全ての人が健康に生きるために十分な量の食料が生産されています。
それにも関わらず、世界の人口の6人に1人が飢餓の状況にあります。また、12秒に1人の子どもが栄養不良で命を落としているとも言われています。
痩せ細った子ども達の姿をテレビや雑誌で見る度、私たちの心は痛みます。
しかし、飽食に馴れてしまった私たち日本人の多くは、それをあたかも、遠い「南」の別世界に住む人達の悲しむべき運命であるかのように感じている面はないでしょうか。
しかし本書では、まず、飢餓の原因と背景が、私たちの食生活をはじめとするライフスタイルと密接に関わっていることが、明らかにされます。
その上で、日本に住む私たちが具体的にできる30の方法が分かりやすくまとめられており、当事者である私たち一人ひとりに行動を促す著者達のメッセージが盛り込まれています。
例えば、CSまちデザインの近藤惠津子さん。
「人にも地球にもやさしい食について考える、新しい食育を拡げていくことが重要です。一人でも多くの人が、個人的な行為である食の『社会性』に気づき、自分の食べ方を見直し、できることから実行していくことが大切です。」
編者の一人でもあるHFWの儘田由香さん。
「日本の食の未来、さらには世界の食の未来を左右するのは、私たち一人ひとりの選択です。これからは、私たち消費者が『何を買うか』が社会や世界にどう影響を与えるかを知り、いまの自分にとって『安くてお得』だけではない食の選択を考えていくことが重要です。
この本を手にとってくれた一人ひとりが行動することが、世界を変えていく力になります。」
そして、監修者である明治学院大学平和研究所長の勝俣誠先生。
「大震災と原発事故によって、ぼくたちは、人類が安心して生き残るには、どんな世界のあり方が可能かつ望ましいのか、その答えを迫られました。
すべての人が世界各地で多様でかつ安全・安心な食料を作ることができ、しかも仲良く分かち合って食べていける世界を、今こそ、考えるときにきています。」
深刻な飢餓の原因は複雑で、一気に解決することはできません。
意識を持った一人ひとりが、当事者として、できることから地道に行動を始め、続けていくしかありません。
本書には、そのためのヒントが満載されています。1人でも多くの方に手を取って頂きたいと思います。