東京と地方をつなぐ神田「なみへい」

130114_yuki2_convert_20130116064528.png 2013年1月14日(月)、成人の日は大雪。
 自宅は多摩東部にありますが、14時頃、ベランダの手すりに定規を刺してみると積雪量は約8センチ。
 夕方には定規を抜いて、代わりに熱燗のとっくりを置いて雪見酒としゃれこもうと思ったのですが、この頃から次第に雨へと変わりました。
 翌朝は抜けるような青空の下、滑らないようにびくびくしながら出勤。電車は定刻に来たものの到着は20分ほど遅れました。
 さらに翌16日(水)の朝は、放射冷却現象で再び凍結。なかなか消えそうにありません。
 朝のNHKテレビで「余裕を持って早めに家を出る」「靴は滑りにくいものを選ぶ」「足元に気を配りゆっくり歩く」等と繰り返し告げているのを可笑しく見たという、北国出身の方のFB投稿がありました。
 私も2年間を金沢で過ごしましたが、秋から冬の時期、出張や帰宅で上京する度、青空が目に染みるほど有難く感じられたものです。東京は恵まれています。
 一方、馴れていないため仕方がない面はあるものの、近所で助け合って雪かきするような習慣が乏しいことも、混乱の一因となっているような気がします。
 都市が大規模化してコミュニティ機能が低下していることが、背景にあるのかもしれません。昔ながらの商店街などでは、ちゃんと雪かきされていたという話も聞きました(以前は東京でもしばしば大雪が降ったそうです)。
 16日(水)夕方、職場の新年会で久しぶりに神田「なみへい」を訪ねました。
 「東京から故郷おこし」がコンセプトの「全国うまいもの交流サロン」です。
130116_1_convert_20130118065824.png 場所は、JR神田駅前の繁華街をガードに沿って南に進み、人通りが少なくなってきた路地をさらに1本入ったところ。通りがかりの人がふらりと立ち寄るというよりは、目的を持って目指して来る人が集う場所です。
 ドアを開けると、正面にあるボードにはポスターやチラシが貼られ、フロア中央部には各地の特産品が展示・販売されている陳列棚があり、アンテナショップの機能も果たしています。
 その奥がテーブル席とくつろげるソファの席で、ゆったりと40名ほどが入れるほどのスペースです。
 壁には、47都道府県の特産品等のポスターが囲むように貼られています。
 また、米沢の冬桜「啓翁桜」(けいおうざくら)も活けられていました。
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 メニューは、月替わりの特産品コースが基本(単品もあります)。
 1月は、山形県米沢の特集です。
 一皿に盛られた前菜から逸品揃い。
 この日は米沢牛の味噌煮、打ち豆、ひょう干しのくるみ和え、玉こんにゃく、それに雪菜のふすべ漬です。雪菜とは、11月中旬から12月上旬にかけて収穫した後に雪の下で保存して「とう(花茎)」を伸ばして食べる野菜で、ほのかに甘くセロリに似た食感です。「よみがえりのレシピ」の1シーンを思い出しました。
 それぞれに珍しく、味わい深いものばかりです。
 続いて、米沢産天元豚ソテー小野川温泉豆もやし添え。小野川温泉豆もやしは、温泉の熱を利用して作られている特産品とのこと。
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 3品目は、ほたてと南三陸産のイクラの醤油漬け。
 飲みものも、ジュースなどのソフトドリンクを含め、地域特産の選りすぐりのものが揃っています。
 最初はビールで始まりましたが、続いて先月の特産品・岡山県真庭市の日本酒「御前酒」千葉・夷隅の「木戸泉」などを出して頂きました。
 ところが、いよいよコースがメインに差し掛かる大事な時に、事情があって中座せざるを得ないことに。何たる無念。
 この後は、米沢の伝統野菜・遠山カブと季節の魚の炊いたん、豆腐・水菜・明太子の鍋仕立て、そして山形期待のニューフェース・つや姫の土鍋炊き等が出て、いずれも大変美味しかったそうです(悔しい)。
 以下の写真は、「なみへい」のウェブサイトから借用させて頂きました。
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 津軽地方出身のオーナー・川野真理子さんについては、先日配信したメルマガでも紹介させて頂きましたが、起業家の交流等を目的としたNPO法人や会社の代表も兼ねておられる方で、ライフワークである「地方と都会を繋ぐ」ために2008年7月に起業・開店したのが「なみへい」なのです。
 私のような地方出身者でも、東京の便利な生活に慣れてしまうと、地方のことをついつい忘れがちです。
 特に西日本(四国)出身の私には、東北は馴染みの薄い土地です。その東北が、大震災と原発事故で被災し、現在も多くの方が避難したり不便な生活を強いられたりしている現実があります。
 東京の便利さと繁栄の相当部分は、これまでも東北が生み出すエネルギーと食料に支えられてきたものであり、現在も同様の事情にあることは間違いありません。
 もちろん、東京に限らず、全ての都会は、東北を含む多くの地方に支えられているのです。
 「なみへい」で地方の食材やお酒を頂くことは、その大事なことを改めて思い出させてくれます。
 「なみへい」のコンセプトは「東京から故郷おこし」ですが、私にとっては、「地方から東京の私たちに大事なことを伝えてくれる場」でもあります。
 東京に住んでおられる方、地方から上京されてきた方など、一人でも多くの方に訪ねて頂きたい場所です(予約されることをお奨めします)。
【ご参考】
 ◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 ◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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